「ウルル登山」は「高尾山レベル」だと思っていたら、全然違った件

旅の随筆
記事内に広告が含まれています。
スポンサーリンク
2019/1/1 オーストラリア縦断旅8日目

初日の出ウルルを拝み、新しい1年のスタートを切った我ら。

今日はこのまま午前中、ウルル – カタジュタ国立公園の観光をしてしまいます!お昼前には気温の関係などで色々な場所が閉鎖されてしまうからね。➡《参考記事》真夏のエクストリーム・ウルル

 

一年の計は元旦にあるはずなのに、無計画ウルル

サンライズを見終わったのが朝6時過ぎ。

SAORI
SAORI

さーって!今日何すっかー!

おっくん
おっくん

どこ行く?どこ行く?

 

サンライズに精一杯だったため、この後どのようにウルルを周るかまったく決めていない。どうする?どうする?ワラワラワラ

 朝食を食べる
 ウルルの地図を広げて会議
▶とりあえずトイレで落ち着く

ここは3番目の「トイレ」を選択。そうそう、まずは出すもの出して落ち着かないとね!ウルルのカルチャーセンターでトイレを借ります。

 

Uluru-Kata Tjuta Cultural Centre

カルチャーセンターに何か良い情報は無いかな~?と期待して行ったのですが、そもそも営業時間外だったのでトイレしか開いておらず。体はスッキリしたけれど、今後は無計画のままです。元旦からこんな無計画具合で2019年乗り切れるのか。

SAORI
SAORI

あ、ウルルの登山口が開いてるかどうか、ちょっと見に行ってみる?

 

ウルル登山の催行は条件が厳しく、特に夏場(12月~2月)のウルル登山催行率は平均15~20%くらい。つまり1ヶ月の間に4~6日しか登れる日がないのです。7月~8月は50%くらいの確率で登山催行されるみたいですけどね。

そんな状況なので、特に登れるとも思っておらず。とりあえず見るだけ見に行ってみるか、というふんわりした流れでウルルの登山口へ向かいます。もし登れたとしたら、朝食前のハイキング的な感じでサラリと行きましょうか。

 

ウルル登山の条件、登山する方法は?

ウルル登山は下記条件の場合、催行されません。(登山口が開かない)

  • 気温が36℃以上になったとき
  • 12月~2月の午前8時以降
  • 3時間以内の降水確率が20%以上のとき
  • 3時間以内の雷雨の可能性が5%以上のとき
  • 山頂の推定風速が25ノット以上のとき
  • 雨のあと、岩の表面の20%以上が濡れているとき
  • 山頂付近が雲に覆われているとき
  • 宗教的な理由(アナング族の行事等)

かなり条件が厳しいです。エクストリーム・ヒートな真夏じゃ、登れる確率も低いわけです。36℃なんて秒で超えるわ。

運よく上記の条件に当てはまらず登山口が開けば、あとは決められたルートを外れないように登るだけ。登山ツアーに絶対参加しなければならないという訳ではありません。個人でフラッと行っても普通に登れます。(ただしこの後の文章をお読みいただいてご判断を…)

 

高尾山のつもりが、ウルルは本気(マジ)だった

今日も暑くなりそうだし風も吹いてそうだし、と思いつつ、ウルルの登山口へレンタカーを走らせてみると。

わ、めっちゃ登ってるじゃん。

どうやら今日は登山口が開いているようです。岩肌の登山客が、まるで蟻の行列のよう!

ちなみに登山口が開いているかどうかは、エアーズロック・リゾート内のホテルのフロントや、国立公園入口の料金所でも尋ねることができます。

 

ウルルのふもとには注意喚起の看板がたくさん。

 

ウルルはご覧の通り岩なので、実は登るのが結構大変。(←麓に来て初めて知った)

ウルルは1950年に観光客に開放されて以降、37人が命を落としています。滑落したり、心臓発作などで亡くなっているようです。

それに加え、ウルルはアボリジニ(アナング族)の聖地。登ることは禁止されていないものの、なんとも微妙。この辺は後述しますね。

 

圧倒的に日本人(おそらくウルル登山ツアー参加者)が多いものの、オーストラリア人なのか欧米人なのか、も、思った以上にいました。登山ツアー参加者は皆さん、手にはグローブ、服装は登山用タイツにシャツ、帽子、リュックサック、登山靴と結構ガチな登山の格好でしたが。

 

たまたま来てしまった我々、完全に「朝食前に軽く高尾山ハイキング」の気分でした。

SAORI
SAORI

え、高尾山くらいのレベルじゃないの?

いやさっき滑落する人も多いって言ったよね?これ山って言うか、岩だから。土俵が違うから。ガウチョパンツで登ってる人、誰もいないから。そもそも登山にガウチョパンツ穿いてくる奴、いないから!

 

まぁいいわ。生まれ持ったポテンシャルで登ってみよう。

ガウチョパンツの女が言うのも説得力ありませんが、皆さんが登る時はしっかりした装備で臨んで下さい。うん、本当に。ごめんなさいね。説得力なくて。

 

ウルルの登山道(これもはや登山道なのかしら)は、最初の部分が一番キツイです。ご覧の通り、最大傾斜は46度。気を抜くと滑落します。

これは体力的に普段運動していない人にはキツイのですが、それより何よりこの傾斜は恐怖です。途中で動けなくなって、上まで行くのを諦めている方が何人もいました。確かにこの傾斜の岩山を生身で登らせるとか、なかなか攻めてます。

 

ガウチョパンツの女、四足歩行に切り替えて登ります。

SAORI
SAORI

もー誰だよっ!高尾山とか言ったの!

いやお前だよ!

そうです、自分です。勝手に高尾山のような感じと勘違いし、勝手にキレるという、ボケからツッコミまで全部自分でこなします。ちなみにこの写真で私の右斜め上で這いつくばっているのが、おっくん。既に距離が空いています。(写真を撮ったのがこめっち)

 

その距離はだんだんと開き。

 

SAORI
SAORI

あれ?おっくん見えなくなった

こめっち
こめっち

全然あいつ来ないやん

5分くらい途中で休憩して待ってみたものの、一向に登ってこないおっくん。

SAORI
SAORI

ま、いっか、先行ってよかー

こめっち
こめっち

おー

SAORI
SAORI

多分ちょっとG(重力)がのしかかってるんだよ

なんて言いながらどんどん先へ。

 

最大傾斜46度の岩の壁を登り切っても、そこからがまた長い。そこからはそれほど傾斜はきつくないものの、物凄い強さで風が吹き荒れており。

わたしのガウチョパンツが強風でバタバタバタバタ!!!と。
ペラペラした布の面積が大きい分バタバタバタバタ!!!と。
すんごい勢いで煽られた。

とりあえず間違いないのは、登山にガウチョパンツは穿いてくるなってこと。

 

そんな感じでわたしが風に煽られているころ。おっくんからLINEが届きました。

ちょ、まさかの下山。

おっくん、リアイアです。

 

ウルルの頂上はどんな感じ?

登り始めてから1時間で頂上へ。

頂上には記念?の何かモニュメント的なものがありましたが(写真の人だかりの中)、そのモニュメント的な何かと写真を撮るためにぐるーっと長蛇の列が出来ていました。

ここはラーメン屋か。

どうせ並ぶならラーメン屋がいい。行きたいところへの執念は凄いのですが、ウルル登山はもともと予定していなかったし、更に人が多いと興醒めしてしまう面倒な性格なので、記念モニュメント的なものに興味はなし。ウルルの周りを360度見渡して、満足。頂上からは遠くのカタジュタ(オルガ岩群)までハッキリ見ることができました。

 

2019年10月26日以降禁止になるウルル登山

んじゃ、さっさと帰りましょう。(あっさり)

 

ウルルは2019年10月26日以降、登山が完全に禁止になります。今までも何度か禁止が検討されていたようですが、ついに、です。

禁止の理由としては、ウルルはアナング族の聖地。もともと聖地に登る事を快く思っていません。かなりの苦痛だったそうです。それに加え滑落事故や死亡事故、マナーの悪さなどがありますからね。

ちなみにウルルは、1985年10月26日にオーストラリア政府が所有権をアボリジニ(アナング族)に返還し、同時に、アボリジニからオーストラリア政府へ2084年までリースすることとなりました。このリース料や国立公園入園料の一部などの観光収入が、アボリジニの重要な収入源になっているそうです。

このような背景から、ウルルはものすごく矛盾した状態になっていた訳です。

信仰は人それぞれで、相手の気持ちを知ることは出来ても、信仰心を同じレベルで持てない。だから「禁止」という形にするのは、お互いに一番良い形なんだと思います。ええ、登っておいて偉そうなんですが。

 

ということで、自分は登っておいて、これから10月26日までに行く方に『登るなよ!』とは言いません。が、最近の駆け込み需要のせいで、キャンプ地以外の場所でキャンプをしたり、ごみの処理が不適切だったり、ウルルで用を足したり(!)等のマナー違反が増えているようです。

禁止されていることはせずに観光しましょう。以上!

 

<つづく>

 

(この記事は2018年12月~2019年1月のオーストラリア縦断旅ブログです)

コメント