2020.03.10 アフリカ南部4ヶ国旅 Day5
<前回のあらすじ>
トゥゲラ滝だと思ってワッショイした滝が実は違う滝だということが分かり、失意のどん底。
翌日リベンジすることに。今度こそ…!!!
トゥゲラ滝(Tugela Falls)の基本情報
そう言えばトゥゲラ滝についての基本情報をお伝えしていなかったので、ここらでまとめておきます。
ひとりで行けるもん、な連日トレッキング
前日、まさかの滝間違いをしたSAORI。2日続けてトレッキングに出掛けます。
おっくん、本当に行かないの?
うん、俺、トゥゲラ滝見たし。今日は部屋にいるー
いや、うん…おっくんが見たのはトゥゲラ川と滝口であって、滝の全貌は見ていない。でも一度行かないと決めたおっくんはぜっっっっっったいに行かないので誘っても無駄。いいよ、ひとりで行くもん。
送迎車に乗り、8時にロッジを出発。
そしてセンチネルピーク駐車場で昨日と同じく、駐車場スタッフにハイキング料のレシート提示と氏名の記入を行います。「あれ?キミ、昨日も来たよね?」とスタッフ。アジア人はほぼいないに等しいので覚えていたようです。
ええ…素敵な山なんで…今日も登りたくて…
言えない。滝を間違えたからまた登るだなんて、言えない。
2日目なのでサクサク歩く
では出発しましょう。
昨日とまったく同じルート、且つひとりトレッキングなので黙々と歩きます。
登り始め早々、靄が出てきました。
雨が降りそうというよりは、昨日降った雨が水蒸気になって下界から上昇気流で押し上げられている感じ。
一度歩いている道なので、靄ってても大丈夫。
ふふっ、昨日登っておいて良かったわ(強がり)
しばらくすると、靄が晴れて
雲の上に出ました。
昨日降った雨で道はまだ濡れていました。こんな感じの岩場は、一度滑ったら果てしなく転がり落ちる未来しか見えない。
「チェーンラダールート」と「THE GULLEYルート」の分かれ道に到着。
きっともっと若いころだったら、山に登った翌日に、場合によっては当日の夜に筋肉痛になっていただろうけど。30歳を過ぎると色々忘れっぽくなるので、筋肉痛も忘れたころにやってきます。
ただ筋肉痛が忘れたころにやってくるおかげで、このように連日トレッキングをしても、2日目もノーダメージ状態で登れるという。ありがとう、細胞の老化!歳を重ねることは悪いことばかりじゃない!老化のおかげで私は本日、トゥゲラ滝をサクッと仕留めることができそうです。
てな感じでチェーンラダーに到着。
本日は駐車場から1時間30分でチェーンラダーに到着しました。
(前日は寄り道していたので2時間かかった)
チェーンラダーを登った先にあるELANDS RIVER FALLS。
今日はもうチラ見で通り過ぎ…
…ようとしたら、オシャレなことに滝に虹が架かっておりました。
ちょっとズームしてみました。虹、分かるかな?
なんだか良い1日になりそうです。
トゥゲラ滝を発見するも濃霧
ここから先は、昨日は歩かなかった道。
まずは川を探してっと…
川、すぐに発見。
こちらがトゥゲラ滝として断崖を流れ落ちる、トゥゲラ川です。
この川沿いに下流へ下流へと歩いていけば、いつか滝に辿り着くというわけ。
道に迷わなくていいな
台地の上はとってものどか。いい天気です。
台地の上を20分ほど歩くと、崖っぷちが見えてきました。きっともうすぐ滝があるはず!
川の水はとても綺麗。
川の周りにはたくさんの羊が。これは…昨日出会った原住民的な人たちに放牧されているのかしら?
私の旅メモ帳には「メェメェパラダイス」と走り書きしてあったので、ここは「天空のメェメェパラダイス」と名付けます。
(私の旅メモ帳がどうでもいい内容満載ということはお察しの通り)
ちなみにこの台地の上(滝のけっこう近く)に、1棟だけ小屋があります。上の写真の右端真ん中あたりに、周囲と同化してしまっているけれど石積みの建物があるの、分かるかしら?グーグルマップにも載ってるんだけどね。
宿泊施設なのかな?と思ったのですが、誰もおらず。どうやらこれは放置されている山小屋で、ここで雨風を凌いだりする人もいるみたい。でもゴミを捨てていく人がいるから、中はそんなに綺麗じゃないみたいだよ(グーグルマップの口コミ参照)。
天空のメェメェパラダイスを抜けると、いよいよ滝口が見えてきました!
わっくわっく!
そしてついに。
これが本物のトゥゲラ滝だ!!!
ものすごい高さなので、滝を覗き込むと下腹部がヒュンッとします。断崖を流れ落ちた水が再び川となり、ずーっと下の遥か先の方まで流れているのが見える。すごい!!!
わたしは滝の全貌が見たいんだよ!
この角度だと全貌は見えないので移動しましょう。トゥゲラ滝のある断崖は円形劇場の形をしているので、崖っぷちに沿って滝の向かい側くらいまで歩いていこうとしたその時。
ものすっごい勢いで崖下から水蒸気が噴き上がってきた。
これはヤバイ!早くしないと濃霧に覆われてしまう!
と急いで滝の向かい側へ歩くも。
はい、何も見えねえ。
あっと言う間に、2メートル先は何も見えない位の濃霧に包まれてしまいました。勘で「多分この辺で滝の全貌が見えるんじゃないかしら」というポイントまで来たものの、これ以上動くのは危険そう。
変に動き回って落ちたら死ぬし(ちょいちょい地面に割れ目がある)。遭難しても嫌だし。
焦ってもどうにかなるもんじゃないので
ランチにしよう
と、濃霧の中ランチタイム。
霧を見つめながら、孤独にツナマヨサンドイッチを頬張ります。
昨日は赤いりんごでしたが、今日は青りんご。
そして、ランチパックに入っていたオレンジジュースはストローが付いていなかった。
飲めねえよ!!!
奇跡のご対面
ランチも食べ終わり。濃霧で何も見えず動けないので、地面に寝っ転がってただひたすらに霧が晴れるのを待ちます。真っ白な霧を見つめ続けること1時間半。そろそろ気が狂いそうになってきました。
もう12時半過ぎか
さすがにこれ以上ここにいると帰るのが遅くなって危険。「残念だけどもう帰らなきゃかなぁ」と立ち上がった、その時。
視界を遮っていた濃霧が段々と薄くなってきました。
これはいけるんじゃないか!?
そして。
あ!見えた!!!
ついに霧(というか雲)が完全に晴れて、長年恋焦がれたトゥゲラ滝の全貌を収めることができました。皆さま、お待たせしました。
こちらがトゥゲラ滝です。
かっこいい。かっこよすぎる。あまりの高揚感に雄叫びを上げてしまいそうです。
ふと横を見ると、隣の断崖に人がいました。本能のままに雄叫びを上げなくて本当に良かったです。この人が私の魂の叫びに恐れ戦いて滑落しちゃったら大変だもんね。
では、推しメンと記念撮影を。
エンジェルフォールと違い世間一般ではあまり知られていないので、「みんなが知らないイケメンを発掘してしまったグヘヘ」感がすごい。さらに「雨季にしか見られない」という点もそそられます。
いやー「一目惚れしたけどうろ覚えな滝」という状態から実際に辿り着くまで、結構長かったなぁ。夜な夜なGooglemapや人のブログを検索しまくり…しれっと会社に長期休みを申請し…課長に呼び出され…カタール航空の乗継に失敗し…クソ警官に金をせびられ…滝を間違えて登り直し…うーん、しみじみ。
冒頭で書いた滝の説明にもある通り。
もしも、もしもチェコの探検隊が測定した983mという落差が認められたら、トゥゲラ滝がエンジェルフォールを抜いて世界一の滝になります。
その時はわたしのことを思い出して下さい。
(なんでだよ)
ちなみに上の写真は滝口付近から撮ったもので、わたしは丸で囲った辺りから滝の全貌を見ました。参考までに。
山の天気は変わりやすい
では!さくさくっと帰りましょう。
昨日私たちが原住民に出会った辺りで、今日も原住民が待ち構えていました。しかも昨日よりも大人数で。原住民のお相手は団体客に任せてスルーしましょう。
チェーンラダーは1人ずつしか降りられないので団体客で渋滞。
しかもこのタイミングで雨まで降ってきた。本当、山の天気は変わりやすい。
すると団体ツアーのガイドさんが「ヘイお嬢ちゃん、命綱付けてあげるから来な!」と言ってきた。うん、35歳過ぎたミセスだけどな。命綱ありがとう。
チェーンラダーのところは結構雨が降っていたのに、下界はいい天気。
やわらかな薄明光線(光芒)が降り注ぐ大地にうっとり。
薄明光線(光芒)って、「天使の梯子(エンジェルラダー)」と呼ばれることもあるんだってね。
チェーンラダーからのエンジェルラダー。ラダーまみれです。
トゥゲラ滝から駐車場まで2時間で下山。
駐車場に着く30~40分前に、おっくんに「そろそろロッジのスタッフにお迎えをお願いして~」とLINEしておいたので、駐車場にはロッジの送迎車(と、おっくん)が待機していました。
お疲れー!滝、見れた?
見れた!めっちゃ良かった!夢がまたひとつ叶った!
送迎車に乗り込んで少しすると、突然の土砂降り。今日は全てが絶妙なタイミングでした。
この旅のハイライト、トゥゲラ滝が無事見れたので、次回からは惰性のようなブログを書かせていただきます。よろ!
<つづく>
(この記事は2020年3月の南部アフリカ4ヶ国周遊旅ブログです)
コメント
タマタ○がヒュンとなりました
よく一人で…
私なら尻込みしてます。
安全を取ろうとか自分に嘘をついて。後に叶わなかった夢を嘆くJPOPとか聴いて感傷に浸るタイプです。
しかし、迫力がありますね。霧の頂上での辛抱ツナサンドが切なくて良かったです。
JPOP聴いて感傷に浸って酒に溺れる紳士が容易に想像出来ました。
この山には多分クマいませんからね。クマがいなければ怖いものなしです。
もう冬だからアレですけど、クマには気を付けてね、クマ。