2020.03.09 アフリカ南部4ヶ国旅 Day4
<前回のあらすじ>
トゥゲラ滝トレッキングで楽しみにしていた“チェーンラダー”。
ほぼ垂直の崖に掛けられたチェーンラダーを登った先で発見したものは…
滝を発見!
2本のチェーンラダーを登った先で、ついに滝を発見。

これが、私が6年間恋焦がれていたトゥゲラ滝か。
会いたかったー会いたかったー会いたかったーYES!
会いたかったー会いたかったー会いたかったーYES!
滝にぃいいいいい

うーん、いい滝ですなぁ

トゥゲラ滝が見たいばかりに、普通に生活していたら絶対に来ることはない南アフリカの良く分からない場所までやってきて、標高3,000m級の山に登って。
「どんだけ滝が好きなんだよ」と思うかもしれないけれど、滝が好きというより今回はたまたま滝だっただけで…なんだろう、地球?が好き?みたいな?
エチオピアでマグマを見た時も思ったんだけど、地球って私たちの日々のすったもんだとは関係なくそこにあるじゃないですか。泰然たる姿で。それが好き。
誰に見られるわけでもないような場所に居て、評価されるわけでも持て囃されるわけでも無いのに、坦々と役目を果たしているというか。役目だなんて言うのもおこがましいですな。うーん…坦々と存在しているというか。見栄を張ることも偽ることもなく、ただ存在しているというか。
だってマグマとか滝に人間的思考があったらさ、
マグマ(以下、マ)「ちょ、めっちゃ映えそうな噴出撮れたわ」
マ「色味とか加工しまくって…はい、SNS投稿!」
マ「あれー全然いいね付かないじゃん」
マ「しゃーなし、注目してもらうために炎上させっか(マグマだけに)」
滝「今日の私、雨季だから最高に水量盛れてる~!奇跡の1枚!」
滝「乾季は全然水量ないし、ていうかほぼ存在してないんだけど」
滝「#すっぴんでごめんね #いつものわたし #こう見えて落差948m」
みたいな、承認欲求の塊のようなのが出てくるんでしょ?
しゃらめんどくせえ。

それに比べたら地球さん、最高ですわ。トゥゲラ滝だって今でさえ落差世界2位の滝、でももしかしたらエンジェルフォールより落差があるかも!とか言われているのに、この控えめな感じ。
「順位とかフォロワー数とか、俺興味ないんで」
「俺は俺でただ落ちて流れるだけなんで。それ以上でも以下でもないっす」
みたいな(勝手に滝の代弁)。くぅー痺れるぅ!!!
まぁ結局何が言いたいのか良く分からなかったと思いますが。
わたしの推しは地球一択。これからも時間とお金を投入して会いに行くので、どうかあなたはずっとそのままでいてください。

では宿で作ってもらったランチパックをいただきましょう。
レタスたっぷりのツナマヨサンドイッチと。

りんご。ビタミン大事。

いやー滝を見ながら食べるランチ、最高だな!

ねぇねぇSAORIさん、

さっきから他のトレッキング客、この滝チラ見してすぐ通過していくんだけど

本当にこれが目的の滝なのかな?

え…カッコイイ滝ってそんなに沢山あるもんじゃなくない…?

街中にイケメンがホイホイいないようにね
お前が言うな。
ちなみにわたしの好きなメンズ暦は、オダギリジョー・荻野貴司(千葉ロッテマリーンズ)からの、最近は人としての魅力も考慮して鈴木亮平です!

でも、じゃあグーグルマップで確認…
はい、圏外。
(そりゃそうだ)
原住民に聞いてみた
「これはもしかしてトゥゲラ滝じゃないのでは…?」という疑心を抱き始めた、おっくんとSAORI。
すると滝の方から男性の声がした。遠くて良く分からないけれど、トレッキング客ではない。大声で何か言っているけれど、まったくもって何を言っているのか分からない。そうこうしているうちに、その男性はどんどん近付いてきて私たちの所へやってきた。

やってきたのは原住民のような風貌の男性。チャームポイントとしてイッヌを連れている。

ちょうど良かった、ねえ、これトゥゲラ滝?
そう尋ねると、男性は聞いているのかいないのか良く分からない態度で「イエース」と言う。そして「煙草…煙草をくれ…」と呟き始めた。
おい、適当抜かすなよ。

本当に?本当にトゥゲラ滝?
しつこく尋ねるも、彼から返ってくるのは「イエース」「ねぇ煙草」のみ。

うん…まぁ、原住民が言うならこれがトゥゲラ滝なんだろう。通過していくトレッキング客は滝に興味がないのかもしれないし、トレイルを歩くことが目的なのかもしれない。
ほら、ウユニ塩湖だって、雨季の鏡面ウユニにキャッキャ言うのは日本人(アジア勢)で、欧米人には乾季の真っ白ウユニが人気だったし(←10年前はね)。興味の対象とか何を美しいと思うかは、国民性によって異なるのかもしれない。

そっか、ありがとう

でも私たち、煙草持ってないんだわ
煙草が無いなら、どうせ次はお金を要求してくるんだろと思ったら。
「じゃあ…スイーツくれ」
スイーツ!?なに、キミはスイーツ男子か!?天空のスイーツ男子かぁ!?


スイーツならあるよ、はい
そう言って私たちは、ランチパックの中に入っていたけど美味しくなさそうなので自分達では食べないであろうお菓子を天空のスイーツ男子に渡した。天空のスイーツ男子は喜んだ。喜んだついでに記念撮影をした。気付くとチャームポイントのイッヌは2匹に増えていた。彼とお揃いにしたハンドサインは『I LOVE YOU』という意味だと後から知った。
確実にIがYOUをLOVEしていない2人と2匹の、謎の記念写真が出来上がった。
人生、告白相手を間違えることもある
山の天気は変わりやすい、ましてや3月はギリ雨季(トゥゲラ滝は雨季にしか出現しない滝だよ)。段々と空模様が怪しくなってきました。

滝も堪能したし、帰りますか!
こうしてチェーンラダーの手前まで戻ってきた私たち。するとおっくんが

あ、ネット繋がった

ねぇやっぱり今の滝、違うっぽいんだけど…
とグーグルマップを見せてくる。確かにトゥゲラ滝はもっと先というか、とりあえず今目の前にあった滝を指し示してはいない。

じゃあこの滝はなんだってんだい!

そうだ、朝ロッジにあった地図みたいなの写真撮ってたんだ
そう言って地図の写真を見返すと。

地図の右端の方にある“CHAIN LADDER”の近くに“ELANDS RIVER FALLS”の 文字が。

これ…トゥゲラ滝じゃない…
ELANDS RIVER FALLSだ。

だ、誰だよお前!!!

いや、むしろ何年も憧れてた滝を間違える!?

だって写真と動画でチラ見したことしかないし…似てたし…
「だっていつも遠くから見てただけだから…後ろ姿似てたし…」と、告白相手を間違えたような言い訳。今までだったら告白相手を間違える内容の漫画とか、いやいやありえないだろうと思っていたけれど、今なら分かる。
告白相手を間違えることも、たまにはある。
本物のトゥゲラ滝は

ではトゥゲラ滝は一体どこにあるのか。
チェーンラダーを登った先はとても広い台地?になっていて、さっきのざっくり地図を見る限り、トゥゲラ滝まではこの台地も相当歩かねばならない。

多分川があるから、その川沿いに行けば着けると思う
と言いつつ、段々天気が怪しくなってきた。遠くで雷が鳴り、今にも雨が降り出しそうだ。

もう帰らないと危ないね

ちょっとだけ待ってて!俺ダッシュで見てくる!
しばらくして戻ってきたおっくんは、

トゥゲラ川と、

まさに川から滝へと変貌するところの写真を撮ってきた。

これが滝のこっち側だと思う!
リベンジを誓う女

トゥゲラ滝の場所は分かったものの、滝の全景を見る場所を探すとなるとさらに時間がかかりそうだったので、とても残念ですが引き返すことに。
雷鳴ってたし。山で雷とか雨は怖いからね。


はぁ…ここまで来たのに…ショック…
すべては滝を間違えたばかりに。違う滝でキャッキャしていた時間が悔やまれる。

トボトボ歩いていると突然、先程の原住民の仲間と思しき少女が超急斜面を駆け下りてきた。よくあんなスピードでこの急斜面を駆け下りられるなぁと感心していたら、間髪入れずに「マネー」と言ってきた。
失意のどん底なので当然ガン無視した。スイーツ食ってろ。

トボトボ。

トボトボ。

トボトボ。


でもまぁ滝の場所も分かったし、また明日来るわ
いつも弾丸旅程を組む私にしては珍しく、ここでは予備日を設けていました。山は天候が読めないからね。もし1日目でトゥゲラ滝が見れたら、予備日はレソトのサニパスまでドライブするつもりでしたが。予備日もトレッキングになりました。
(サニパス行きたかったけど、トゥゲラ滝の方が見たかった)


おっくんは明日どうする?

俺はもういいや、ロッジにいる

トゥゲラ滝、見たし
うん…見たと言えば見たけど、厳密には滝の舞台裏みたいなの見ただけ…。
でもこうなったおっくんはいくら誘っても絶対に来ないので、明日はひとりで登ります。

ロッジに戻って夕飯!
本日のスープはキノコのクリーミーなスープでした。

SAORI安定のコーラと、

おっくん安定のゲロ甘ドリンク。

メイン料理はマッシュルームリゾット(R90≒740円)と、

ビーフストロガノフwithライス(R100≒820円)です。
うん、これ食べて明日も頑張ろう!
<つづく>
(この記事は2020年3月の南部アフリカ4ヶ国周遊旅ブログです)
コメント
とりあえず間違えても、
こざっぱりしていますね。
私なら、自分の失態をその場で物や人に八つ当たりして、旅どころか生命を滝壺に叩き落としそうです。
こんな時に限って予備日を設けて
いるあたりが、とてもSaoriンゴらしいです。ベジータの気持ちになります。
やめて、八つ当たりして滝壺に叩き落とす紳士が想像出来ちゃってお腹がよじれそうw
予備日がなければ、私も発狂して滝壺に原住民を投げ込んでいたかもしれません。
私たちに大事なのはゆとりですね。