2020.03.11 アフリカ南部4ヶ国旅 Day6
<前回のあらすじ>
初めてレンタカーで国境を越えた私たち。南アフリカ⇔レソトの国境検問所「Maseru Bridge」のレソト入国手続きは、ストレスフリーのドライブスルー形式でかつてないほどの最速手続きだったけれど、国としてこれは大丈夫なの?という不安も残りつつ。まぁ人の国だからいいよね別に。という話。
レソトってどんな国?
あまり馴染みのないアフリカの国、レソト。どんな国なのかざっくり見てみましょう。

首都:マセル(Maseru)
言語:ソト語と英語が公用語。日常会話はソト語、ビジネスや公式の意思疎通言語は英語
宗教:8~9割がキリスト教徒。その他固有の伝統宗教が存在
通貨:ロチ(Loti)で複数形はマロチ(M)
補助通貨はセント(s)
※M1=100s
★南アフリカランドと等価で、ランドがロチ同様に流通している
ビザ:90日以内の観光・商用滞在はビザ不要
時差:日本との時差はマイナス7時間
フライト:日本からの直行便なし
第三国経由で南ア・ヨハネスブルグ、からのマセルが一般的
レソト王国(通称レソト)はアフリカ南部に位置する立憲君主制国家。周囲を南アフリカ共和国に囲まれた世界最南の内陸国。全土がドラケンスバーグ山脈の山中にあるため平地が一切なく、全土の標高が1,400mを越えることから『天空の王国』と呼ばれる。気候に恵まれているものの、地形制約のため耕地面積は国土の10%程度にとどまり農業は振るわない。その代わり放牧が盛ん。国内産業が振るわない&人口過剰により、南アフリカ共和国への出稼ぎ労働者が多い。

さっきの地図だと分かりづらいですが、レソトはこの通り周囲をぐるっと南アフリカ共和国に囲まれています。こういう1つの国に完全に囲まれた国を「包領(ほうりょう)」って言うんだって。レソトの他に、サンマリノとバチカンも包領です。
国の面積は30,355㎢と岩手県の約2倍くらいの小さな国です。見どころは山と谷が連なる大自然かなぁ。トレッキングしたりとか気持ちいいと思う!あとマレツニャーネ滝とかね。
国境検問所から空港へ

では、空港に向かいましょう。
え?せっかくレソトに来たんだからどこか立ち寄りなよって?
そんな時間はありません。
16:25発ヨハネスブルグ行きの飛行機に乗らなければならないのでね。レソトの滞在時間は数時間。残念ですが、空港までのドライブを楽しみましょう。

道端で焼きとうもろこしを売ってたり、道路の中央分離帯のところに物売りの人たちがいたり、アフリカの都市味があります。
上の写真の青い小屋、通信会社のステッカーとか貼ってあるこれ系の小屋を良く見るんだけど、何屋さんなんだろう?送金とかしてくれるお店?勇気が出なくて確認していません。

露店がひしめき合い、人々の日常生活を感じられる。名所を訪れるのも好きだけど、こういう風景を眺めるのも好き。
ということで、ダッシュボードに置いたアクションカメラの動画を載せておきます。
旅系Youtuberのように編集していないので、ひたすらマセルの道路を進んでいくだけ動画です。

あー疲れた、なんか異国をドライブしたいわー
みたいな気分の時に、ボケーっとご覧ください。個人的には、01:00あたりからの「前の車、このタイミングで物売りの人からハンドルカバー買うのかな…?なんだ知り合いかよ!」みたいなところがすごく好きです。

さすが国土全体が標高1,400m以上とだけあって、車内から見える景色だけで標高高そうな空気感出てる。雲の感じとか、全体の色とか。

国境検問所から約1時間でレソトの空港に到着。
レソトの国際空港「モショエショエ1世国際空港」

空港の敷地に入るとすぐに、日本とレソトの国旗がかかれた看板が。どうやらモショエショエ1世国際空港に太陽光発電システムを整備するための資金(2.97億円)を日本が支援したようです。
レソトは国内の発電の多くを水力発電でまかなっているけれど冬は電力不足になり、足りない電力を南アフリカなどの周辺国からの輸入したり、計画停電したりしていたんだって。この支援により電力エネルギー供給の多様化を図り、電力自給率の向上と温室効果ガスの削減が期待されます。

外交してるんだな
どこから目線か分かりませんが、世界各地を旅行していると自分が知らなかった日本と他国との繋がりが見えてなんか嬉しい。日本のODA、しかと見届けました。

こちらがレソトの国際空港「モショエショエ1世国際空港」です。なんとなく、わたしの地元の町役場を彷彿させる外観です。まぁそれよりも皆さん、気になってますよね。
モショエショエって響き。
ついつい言いたくなる、モショエショエ。
「勉強したのに点数取れないの、モショエショエ?」
「この店のポテトサラダ、マジでモショエショエだから一回食べてみ?」
「このたびは~幣も取りあへず手向山~ 紅葉の錦 神のモショエショエ~」
そんなモショエショエ1世、レソトの初代国王でモショエショエ。なるほど、初代国王の名前が付いた空港なんですね。町役場とか言ってごめんなさい。

空港の中はこんな感じ。びっくりするほど人がいません。

一応国際線なので出発の2時間ちょっと前に到着したのですが、チェックインしようにもまだ早かったらしく。カウンターのお姉さんに「チェックインはまだよ(あんた達、せっかちね)」みたいな感じで笑われました。まぁ…この規模の空港だったら国内線くらいの感覚で良いのかもしれない。
※過去に、エチオピアでチェックイン時に航空券が無効になるという瀕死アクシデントに見舞われたことがある為、なるべくゆとりをもって空港に行くようにしている。
(→アクシデント詳細記事はこちら。アメブロに飛ぶよ)
なんもない空港レストラン

なんもない空港ですが、一応建物の2階にレストランがありました。
お昼ご飯をまだ食べていないので、何か食べましょう。

店に入るも、本来店員がいるべきカウンターには誰もおりません。

もちろん客もいません。
それぞれのテーブルは「孤島か!」くらい間隔があり、

これ、店が潰れてただの休憩スペースになってんじゃないの?
といった雰囲気でした。

でも一応、テーブルの上にメニューが置いてあるので営業しているっぽい。

見て見て!Bento cateringって書いてある!

Bentoって弁当かなぁ?
なんて話していたら、ものすごい強面の店員がやってきました。本当に強そうです。

注文は決まった?

じゃあビーフwithライス&サラダを

わたしはライスwithポーク&サラダで
すると。

ビーフもポークもない

え?

ビーフもポークもない

今日はチキンしかない
今日はチキンしかない。
ビーフもポークもないだなんて、八百屋にジャガイモと人参がないようなもんです。なんてこった。ビーフとポーク以外のメニューだとフィッシュアンドチップスもありますが、店員からは「いいか、チキン以外頼むなよ?チキン以外をオーダーする行為は死を意味する」くらいの圧を感じます。いやだ、まだ死にたくない。

死にたくないのでRice with chicken & saladにしました。さっきの強面店員が冷凍庫からチキンを取り出して料理していました。店員は彼しかいませんでした。
他の店員もいなければ客もいない。ビーフもなければポークもない。
そんな空港レストランでしたが、料理は普通に美味しかったよ。
(店員さんも普通の人です)
出国後エリアで噂のアレを発見

チェックインが始まり、特にすることもないので早々にチェックイン。そして出国手続き。
出国後の待機エリアはこんな感じ。やっぱり空港感はあまりなくて、町の公民館みたいな感じです。

一応お土産屋さんはあったのですが、半分シャッターが下りている状態で営業中。なぜ?なぜそこでシャッター止めた?
レソトの特産品バソト・ハット(三角形状をした、ソト族の伝統的な帽子)やアクセサリーが売られていましたが、おっくんはご当地マグネット集めが好きなのでマグネットを買っていました。マグネットはどこでもあるからな。

VIP LOUNGEもありました。
果たしてVIPをもてなせるだけのスペックがあるのか、それだけが心配です。


ちょっとトイレ行ってくるね~
とトイレに向かったSAORI。そこで目にしたものは。

フリーコンドームです。
旅人の間では有名なフリーコンドーム。アフリカで国境を越える時に渡されるとか、国境にこうしたディスペンサーがあるとか、話は聞いていたけれど。実際に見たのは初めてかも(それか今までスルーしていた)。
なんでこんな所に置いてあるかと言うと、HIV感染を減らすため。
レソトは2020年の時点で、HIV成人感染率や罹患(新規感染)率が世界で2番目に高い。2020年のHIV成人感染率は21.1%なので、5人に1人くらいがHIVに感染しているということです。エイズの影響もあり、2004年頃には平均寿命が43歳まで低下したんだって。さすがにこれは…ということでとられた対策のひとつが、コンドームの配布などの啓蒙活動なんですね。
様々な対策の結果、レソトの罹患(新規感染)率はかなり下がりましたが、それでもまだ世界で見ると2番目に高い数値となっています。ちなみにお隣のエスワティニ王国(旧スワジランド)がぶっちぎり1位です。この国はこの後行くのですが色々突っ込みどころが多い国なので、このネタはまたあとで。
マセル→ヨハネスブルグへ

この規模の空港は徒歩で飛行機へ向かうタイプ。これ、嫌いじゃない。
航空会社はエアリンク(AIRLINK)。ヨハネスブルグに本拠地を置く航空会社で、南アフリカ国内の小規模都市を結ぶほか、周辺諸国への国際線も運航しています。この辺りを空路で移動、となると必ずお世話になるかと。

さよならレソト。
緑が多いな。あと山というか山脈みたいなのも。さすが天空の王国。

所要時間1時間10分と短いフライトなので、機内食ではなくスナックが配られます。豆と、グミみたいなお菓子。

あとパックのジュースも配られます。おやつおやつ~

1時間のフライトを経て、ヨハネスブルグのO・R・タンボ国際空港に到着。外は少し雨が降ったみたい。
O・R・タンボ国際空港はこの旅で2度目の訪問です。結局ここがハブ空港になっているから、周辺諸国へ空路で行くとなるとヨハネスブルグを経由しないといけないんだよね。

明日はSAORI的突っ込みどころ満載の国・お隣エスワティニ王国へ飛ぶので、この後はO・R・タンボ国際空港すぐそばの空港に宿泊します。
エスワティニ編、お楽しみに!
<つづく>
(この記事は2020年3月の南部アフリカ4ヶ国周遊旅ブログです)
コメント
ドライブ動画面白かったです
安全な道路での危険予測することに慣れていると、常に危険な道路で安全地帯を探すようでハラハラしました。
チキンライスがうまそうで腹減りました。
そんなこと言わずに、紳士のドライブテクニックを世界に見せつけてほしいところです。
肉と米は正義だよね。
わたしの今夜の夕飯は豚肉とレタスのしゃぶしゃぶです。