最近知って驚いたことは『サナギの中身はドロドロの液体』ということ。
どうも、SAORIです。
ついでに「もしそうだったらどんなに素敵か」と思ったことは、米澤穂信さんの「遠回りする雛」という小説の中で、奉太郎が千反田さんに『ところでお前が諦めた経営的戦略眼についてだが、俺が修めるというのはどうだろう?』と実際に言っていたら、ということ。これは想像するだけでご飯3杯いけます。読んでみて下さい。
それと『タージマハルの対岸に黒大理石のタージ・マハルを建てる予定があった』という伝説。これも本当だったらどんなに素敵なことか、と思います。
今日はそんな、ブラック・タージ・マハル伝説の地のお話。
2018.02.15(thu)インド旅行5日目
アグラ観光も中盤!
タージ・マハル、イティマド・ウッダウラー廟と訪れて、次に向かうは「マターブ・バーグ」です。
タージ・マハル対岸の公園「マターブ・バーグ」
タージ・マハルからヤムナ川を挟んで対岸にある庭園(公園)「マターブ・バーグ」。
マターブ・バーグからはこのようにタージ・マハルが見え、特に夕暮れのタージ・マハルを狙うには絶好のビューポイントとなっています。
夕暮れを狙うどころか真昼間に来ちゃったよ!
くそぅ、信用ガタ落ちガイドめえぇぇぇぇ!ルート組むの下手くそか!ベストな時間、ベストな時期に連れていくのがプロだろう。完全に趣味で総合旅行業務取扱管理者の資格を取った、アマチュアな私の方がよっぽどいい旅程(ルート)組むわ。
まぁ彼(ガイド)にはもう何も期待していない。それより何より、なんで私、ユニクロのウルトラライトダウン着てるの?暑くないの?絶対暑いよね?不思議です。
本当だったら素敵!ブラック・タージ・マハル伝説
庭園の先、ヤムナ川に近づくと、ムガル帝国時代の遺跡なのか何なのか、もあります。
さてさて、このマターブ・バーグ。
タージ・マハルの対岸にあり南北の対称性が果たされることなどから、『皇帝シャー・ジャハーンは、この場所に黒大理石を遣って黒いタージ・マハルを建てる計画をしていた』という、ブラック・タージ・マハル伝説があります。
皆さんも聞いたこと、あります?
愛妃ムムターズ・マハルが眠るタージ・マハルの対岸に、皇帝シャー・ジャハーンが眠るための黒いタージマハルを建てようとしたが、息子によってアグラ城に幽閉されてしまったため叶わなかった。という話。
もしこれが本当ならば、そして実現していたら、どんなに素敵か。ヤムナ川を挟んで南北に建つ、白いタージ・マハルと黒いタージ・マハル。想像するだけでうっとりしますよな。
幻の「ブラック・タージ・マハル計画」の真相は?
では実際問題、本当にこの場所にブラック・タージ・マハルを建てる計画があったのでしょうか?
ちなみに最初にこのブラック・タージ・マハル伝説について言及したのは、17世紀のフランス人宝石商人かつ旅行家(冒険家)のJean-Baptiste Tavernier(ジャン・バプティスト・タヴェルニエ)と言われています。彼はインドからヨーロッパに数多くのダイヤモンドを持ち込んだ人物。有名な「呪われた宝石」と呼ばれているホープダイヤモンド(ブルーホープ)も彼が持ち込みました。
呪われた宝石とか、ワクワクしちゃうね!
ホープダイヤモンドの呪い伝説は、“ヒンドゥー教寺院の女神シータ像の目に嵌められていた2つのうちの1つをタヴェルニエが盗み、それに気付いた僧侶が呪いをかけた”のが始まりと言われています。その呪いでタヴェルニエは直後に熱病で死んだ等の噂もありましたが、実際タヴェルニエは84歳に老衰で亡くなっているので、呪いの件はだいぶ脚色されているみたいですよ。
私も120歳くらいで老衰希望~
あらやだ、脱線しすぎました。
えっと、実際ブラック・タージ・マハルを建てる計画があったのかどうか、ですよね。結論から申し上げますと、ブラック・タージ・マハル計画はmyth、つまり神話というか作り話だと、発掘調査やら何やらをした専門家は考えているようですよ。
マターブ・バーグはもともと、タージ・マハルがなかった時代、1500年代初頭にムガル帝国初代皇帝バーブルによって建てられた庭園と言われています。
その後この庭園は荒廃してしまいましたが、タージ・マハルを砂の摩耗から守るためだったり、タージ・マハルを見るのに理想的な場所だったりでシャー・ジャハーンが再建。遊歩道やパビリオン、噴水などが造られました。
なぜ専門家が神話だと考えているかというと、発掘調査で発見されたのは砂の下に埋もれた庭園であったこと、見つかっていた黒い石はもともと白かった石が変色したもの、ブラック・タージの基礎とされていた痕跡は実際は初代皇帝バーブルの時代のものだったなどなど。
それでも想像するのは自由!
実際そんな計画はなかったとしても、ここにブラック・タージが建っていたら…と、その光景を想像するのもなかなかロマンティックが止まりませぬ。ロマンティックなあなたはぜひ、マターブ・バーグを訪れてみて下さい。
物売りの子どもたち
マターブ・バーグ訪問を終え駐車場へ向かうと、物売りの子どもたちに囲まれました。無言で差し出してきた商品は埃まみれのスノードーム。
もともと私はスノードームに興味がないし、以前誰かのブログだか何だかで“インドで子どもから買ったスノードーム、帰国して見てみたら中の液体が全て抜けていた(粗悪品)”という話を読んでいたこともあり、子どもたちをスルー。すると、
『買ってよ』
『ねえ、買ってよ』
『安いでしょ』
と買って買って攻撃。それでもスルーしていると、
『お金がなくて学校に行けないの』
『あなたはお金があるでしょう?』
『なんでお金があるのに買ってくれないの?』
と情に訴える作戦。旅先での『お金あるでしょう?』発言にはカッチーンとくる。いや、これ、私が労働の対価として得たものだからね?生まれつき持っているものじゃないからね?と、それは置いておいて。
こうした買って買って攻撃は世界中どこでも遭遇することだし、貧困だったりストリートチルドレンだったりはすごく難しい問題で、正直この場合どうするのが正解か分からない。『それくらい買ってあげなよ』と思う人もいるだろうし。正解があるなら本当にラクだなぁと思う。
どうしたらいいのか分からないけれど基本要らないものは買わない主義なので、それを貫くことにしています。お菓子をあげたりはたまにあるけれど。
ただこの時は本っ当にしつこくて、だんだんこのスノードームを子どもたちに売ってこいと言っている大人がきっと裏にいるはずだと、その大人にイライラしてきた。
あのね、私はそれを欲しいと思わない
欲しくない、だから買わない
欲しいものだったら人は買うのよ
スノードーム自体は全然大した金額でもないし子どもに対して大人げなかったかなと思いつつ、買わずにそう言って振り切りました。だって要らないのに可哀想だからと買っていたらキリがないし、このままじゃ相手も何も変わらないじゃん。そもそも売り上げの何%が子どもたちに入るのか分からないし。
子どもに言っても仕方ないのだろうけどさぁ。ニーズを把握して商品を仕入れるなり作るなりして売れば、それが立派な商売だと思う。そうしたらもっとwin-winの関係が築けるのに。
なんて思いつつ、これでインドのスノードームが絶滅したら、ごめんなさい。以上!
▼冒頭で紹介した小説▼
<つづく>
(この記事は2018年2月のインド旅ブログです)
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