2017.12.31(sun) UAE・モロッコ・セネガル旅行8日目
<前回の旅行記はコチラ>
橋でつながる「共同墓地」へ
セネガルにある貝殻島・ファディユ島に上陸した私たち。島内をひとしきり見て回ったあと、いよいよファディユ島のハイライトでもある「共同墓地」へ向かいます。
本土ジョアルからファディユ島へは橋を渡ってきたように、ファディユ島から共同墓地へも橋を渡って行きます。もちろんこの橋も、車は渡ることができません。
橋の先に見えるのが、共同墓地。
橋からふと海(湾?)を見ると、こんなところにも豚が。
※豚がいることを特筆する理由は前回記事をご覧下さい
オシャレな波紋が広がる豚の足元。もののけ姫の世界だったら、シシ神になれていたかもしれません。いや、種別的には乙事主(おっことぬし)様寄りだけど。
馬も水の中を歩いて(泳いで?)いました。水浴びついでなのかな?
ファディユ島の平和な共同墓地
共同墓地に上陸。
墓地にはあちこちにバオバブの木が生えています。バオバブはサバンナ地帯に多く分布する樹木で、セネガルでは比較的よく目にします。『星の王子さま』に出てくる木としてバオバブの名前を知っている方も多いのでは?ただ残念ながら、セネガルにあるバオバブは『星の王子さま』に出てくるバオバブとは種類が違うようです。
では墓地散策をしますか。
墓地がハイライト、というと肝試しか何かと思われる方もいらっしゃるかもですが。
ファディユ島の墓地は最高にキュートな印象。
たまたま晴れていたからかもしれませんが、なんだか明るくて気分が良い。その理由のひとつとして…
墓の盛り土が貝殻なので、墓地全体がリアルに明るい。さすがファディユ島です。島自体も貝殻で出来ていましたが、死者を埋葬するのも貝殻。盛り土ならぬ、盛り貝。
貝殻の擦れ合うシャラシャラという音が心地良い。ここなら気持ち良く永眠できそうです。
さてさて!ここファディユ島の共同墓地が観光のハイライトとなっている理由は、貝殻墓地だからだけではありません。
この共同墓地は世界的にも非常に珍しい共同墓地なのです。それは何故かと言うと…
イスラム教徒とキリスト教徒の共同墓地なのです。写真手前がイスラム教徒のお墓、奥の十字架が立っているのがキリスト教徒のお墓。
この記事の最初の写真に『CIMETIERE MIXTE MUSULMAN CHRETIEN』という標識が写っていたの、気付きましたか?フランス語で『ムスリムとクリスチャン混合の墓地ですよー』てな感じ。
このように宗教の異なる人々が同じ墓地に隣合って埋葬されるのはかなり珍しいこと。これも宗教に対して寛容なセネガルだからこそ、そしてファディユ島だからこその光景なのです。
セネガルはイスラム教徒が約95%の国ですが、宗派の違いによる対立や、他の宗教との対立がほぼありません。本来イスラム教では偶像崇拝が禁止されていますが、セネガルでは宗派の教祖的存在人物のポスターを貼ったり携帯の待ち受けにするなど、他のイスラム教国では見られない掟破りのオリジナリティがあります。
自分と異なる相手を受け入れること。柔軟に変化していくこと。それを良しとすること。
この共同墓地を訪れると、セネガルという国の気質を感じることが出来ると思います。
マングローブや穀物倉庫を見る
墓地を見終わると、ボートに乗らないか?と勧誘。
まぁ、暇だし乗ってもいいよ
なんでそんなに偉そうなの?
細長い木のボートに乗り、出発。
ボートに乗って何を見るかと言うと、
マングローブの森。
まーたマングローブか…
マングローブがある場所の人々は必ずマングローブを見せてくるので、正直そろそろ見飽きている感はありますが(失礼)。ちなみにマングローブとは植物の名前ではなく、満潮・干潮で海水と淡水が混ざり合う『河口汽水域』に生える『森』のこと。なので一言にマングローブと言っても、生えている樹木の種類や形状は異なるということですね。見飽きたとか言っちゃダメだな!
ボートで進んでいくと、小さな建物みたいなものが沢山並んでいる場所が見えてきました。どうやらあの場所に上陸するようです。
小さな建物に見えたこれらは、高床式の穀物倉庫。大昔、ファディユ島では火事が相次いだため、穀物倉庫が火災の被害に遭わぬよう島から離れた場所に作ったのだそう。食べ物までなくなってしまったら絶望ですもんね。
現在は使われていないので中にはボロボロのものもありますが、文化を残すために保存されています。
ボート漕ぎのお兄さんがつかまえてくれた蟹。マングローブの森は生命のゆりかごと言われているだけあって、様々な生き物がいます。ちなみにこの蟹、オスは片手だけが大きくて、メスを惹きつける時や威嚇の時に役立ちます。(この写真はメスなのでハサミ大きくないけど)
この高床式穀物倉庫のある場所には、一応お土産ブースもあります。変なお面とか売ってましたが、どれも嵩張りそうだったので何も買わなかった。今思えば変なお面とか買ってみれば良かったな!魔除け的な感じで!
通常は観光案内所で島への入島料・ガイド料の約2,200円くらいを支払って観光するようです。ただ我々、観光案内所の存在に気付かず真正面から島へ入り、このボートに乗った時だけお金を払いました。(今となってはいくらだったか完全に忘れた)
ガイドを付けて説明もしっかり聞きたい!という人は観光案内所に寄ってみてね!観光案内所は本土と島を結ぶ橋の袂にあるそうです。
<つづく>
(この記事は2017年12月~2018年1月の西アフリカ旅ブログです)
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