2018.01.03(tue) UAE・モロッコ・セネガル旅行11日目
セネガル滞在を終え、ブレーズ・ジャーニュ国際空港(セネガル・ダカール)からムハンマド5世国際空港(モロッコ・カサブランカ)を経由し、アブダビ国際空港(UAE・アブダビ)に到着。
今日の移動はここまで。今夜はアブダビで1泊し、明日は『フェラーリ・ワールド・アブダビ』というフェラーリの遊園地で遊び、夜の便で日本へ帰国という流れです。と、いう訳で早速UAEに入国しましょう!
1年前の「別室送り」を経て改善したこと
UAEに入国する前に、唐突に1年前の「初めての別室送り」の件をおさらいしましょう。
「別室送り」とは?
「別室送り」とは、入国審査の際に諸事情により“こいつをすんなり入国させる訳にはいかない”と判断され、別の部屋へ連行されてじっくりみっちり取り調べられること。不法入国や不法就労が懸念される場合や、よからぬ物を持ち込んでいそうな場合などは別室に送られる可能性が高くなります。
特に英語が喋れない人にとっては精神削られるイベントなんだよね。
SAORI人生初の「別室送り」概要
2017年に新婚旅行でカリブ諸国へ。いつも通り現地集合・現地解散(夫婦別旅程)の旅をしたところ、帰国途中の経由地カナダで『女ひとりでカリブ諸国へ行くなんて怪しい』と別室へ送られる。別室で質問を受けるも正直に答えすぎて入国審査官が混乱、最終的に同情されてカナダ入国。その後さらに荷物検査、薬物検査というフルコースを味わう。
▼初めての別室送りブログ▼

初めての「別室送り」後の改善点
どうしても女性単身は色々疑われて別室に送られるケースがあるようです。
なので出来る限り『夫婦同じ旅程で』旅行することに。
夫婦なら一緒に入国審査受けられるところも多いし、万が一私が挙動不審で疑われても、夫に全て丸投げして英語喋ってもらえばいいや!という安心感があります。
それなのに結局「別室送り」されるSAORI
今回は夫婦一緒だし。それにUAEは往路で既に一度入国していたので何も問題はないだろうと、完全に安心しきって入国審査に進んだSAORI。
「NEXT!」
おっくんと同じカウンターに進もうとするも「別々で」と言われ、仕方なく別々のカウンターへ。
まずはSAORIのターン、カウンターでパスポートを提出です。
パスポートの写真と私の顔面を見比べる入国審査官。それからパスポート情報を照会し、問題なければスタンプを押して入国となるはずなのですが。
画面上で私のパスポート情報を見ているであろう入国審査官の表情が硬い。尋常でないくらいに硬い。表情が硬すぎて、逆に目鼻立ちのくっきりした中東顔の美しさが際立つ。

中東のイケメンってセクシーだよなぁ
なんて最初は吞気にしていた私も、なかなかスタンプが押されないことに不安が募っていった。その間も入国審査官は一言も喋らず、険しい顔をしたまま画面を注視している。
5分、いや、実際には3分くらい経過した頃でしょうか。ようやく入国審査官が動いたと思ったら。
なんか、増えた。
私の対応をしていた入国審査官が仲間を呼んだのだ。そしてやはり皆で画面を見て険しい顔をしている。ちょっと待って、一体どんな情報が見えてるの?あなたたちに私のどんな情報が見えているの!?前世?守護霊?スリーサイズ?
そして一切の言葉を投げかけることなく、ひとりの入国審査官が私に『お前は別室へ行け』というジェスチャーをしてきた。
ちょっと待てや。
弁明の余地もなく、一方的に別室送りが決定した。なんで?どして?私まだ一言も喋ってない!
私が別室宣告を受けていた頃おっくんはと言うと、何事もなく入国審査を経てスタンプを貰い、UAEに入国していた。おかしい、ずっと一緒の旅程だったのに、私だけ別室に送られるなんておかしい。くそぉ道連れにしてやる!(おい)
「ちょっとちょっと、待って下さいよ!」
「He is my husband」
あそこにいる入国審査を通過した男は私の夫で一緒に旅行していたのに、私だけが別室なんておかしいでしょ!という意味も込めて。おっくんを指差し「彼は私の夫なんですけど…」と目の前の入国審査官に訴えた。
が、無視された。
それはもう、見事なまでに私の言葉はスルーされた。異国の民に「あれ、うちのダンナなの!いい奴でしょ!」と謎に夫を紹介した人みたいになった。なにこれ、すごい虚しいんですけど。
そんな妻の異変に気付いたのか、

どうしたん?何かあったのー!?
と、おっくんが遠くから声をかけてきた。
何かあったもなにも、今からあんたの妻は別室へ送られるんだよ。
そして訳も分からぬまま、別室へと連行されることになったSAORI。

ああ…まーた取り調べかしら…英語喋れないのに…
別室へと連行されていく妻を見て、遠くでおっくんが

Why!? Why!?
と連呼しているのが聞こえた。グッバイ、マイハズバンド。
アブダビの別室のソファはふわふわだった
カナダ(トロント)の別室は銀行の窓口のような大きな空間だったのに対し、アブダビで連れていかれた別室はちょっと良さげな応接室のような場所でした。
部屋に入ると『ちょっと待ってて』というジェスチャーをされたので、ちょっと待つがてらドラクエ的な感じで部屋の中を見回す(怒られなさそうな範囲で)。すると、校長室や社長室にありそうな革張りのソファがあったので、そーっと座ってみることに。ソファくらい、座ってもいいよね?

ふ…

フワフワだぁぁああ!!!
なんじゃこりゃ!さすがオイルマネーでギットギトに潤っているアラブ首長国連邦様ですね!こんな座り心地の良いソファ、初めてかもしれない。カナダでの取り調べはファストフード店のようなカウンターで行われたのに対し(※)、UAEの別室はまるでVIPルーム。最高か!
※カナダでの一連の出来事を相当根に持っている
ふわふわのソファで緊張が解れたSAORI。挙動不審にならず、落ち着いて受け答えができそうです。

えーっと…君は日本人?

はい

いつ日本に帰るの?

明日の夜の便で

ふーん
ふーん。

…(パソコンをカタカタ)…

…(見つめる)…

…(パソコンをカタカタ)…

…(見つめる)…

はい!もういいよ!

え!?

もういいから、早く行きなよ
ええええええー、ここまで連れてきておいて冷たくない?もう少し質問とかないの?国籍と帰国する日しか喋ってないんですけど!もうちょっと私のこと知りたくないの?知りたくないか!

あ、はい、帰ります、失礼しましたー
結局なぜ別室に送られたのかは全く分からず(※)、分かったのは『UAEの別室のソファはふわふわだった』というどうでも良いことだけでした。
※恐らくシステムエラーか何かで私のパスポート情報が見れなかった、とかそういった理由かなと思っています。
別室に送られる星の下に生まれた
特に何もなく、無事UAEに入国できたSAORI。何事もなかったけれど、短距離ダッシュを何十本もこなした後のような精神的疲労感。二度目だけど、やっぱり別室送りは慣れないものです。

せっかく別室に送られないために夫婦で一緒に旅行したのに…

それな!しかもSAORIさんだけ!

俺、世界一周とかしてても別室に送られたこと、無いわ~
多分、そういう星の下に生まれたんだと思う。
いいネタになるし、別に悪い事はしてないからいいんだけど。でもこればかりは何度経験しても緊張するし、疲れる。特に言語の壁が余計精神を疲弊させる。そう思うとやはり、ある程度は言語を習得すべきだなぁ…と思いました。(結局英語を勉強し始めたのはこの時から2年後だけど)
<つづく>
(この記事は2017年12月~2018年1月のUAE・モロッコ・セネガル旅ブログです)
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