へいへーい、SAORIです
なんだか前回記事を更新した後、方々から「東京ステーションホテルに泊まりたくなった」というお言葉をいただき、わたくし、
とてつもなく浮かれております。
とりあえず褒めておけばどんどんブログ書くので、今後とも私の文章を褒めちぎって下さい(圧)。
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東京ステーションホテルチェックイン編、客室編に続いて、本日は建物の楽しみ方編です。
東京ステーションホテルは建物のポテンシャルも非常に高い。ただただラグジュアリーなだけでなく、“歴史ある文化遺産”という、ちょっとやそっとでは培えない価値があります。
例えると…そうね。幽遊白書の幻海は強くて美しい(若い時)だけでなく「霊光波動拳の継承者」としての価値があるようなもんかしら。逆に見せかけだけでペラッペラなのが、幻海に素手でフルボッコにされた「美しい魔闘家鈴木」ですね。(鈴木はその後修行頑張ったから許す)
という事で、本日も盛り上がっていきますよ!東京ステーションホテル!
まずは外観を舐めまわす
<宿泊レポ①>でも触れましたが、東京ステーションホテルは東京駅丸の内駅舎内にあります。
東京駅が作られた経緯を簡単にお話すると、もともと新橋駅と上野駅が先に出来ていたのですが、その間にも駅が必要ということで立案。さらに皇居にお住まいの天皇陛下が利用になる駅舎として、皇居とほぼ正対する場所に誕生しました。
東京駅は当初、ドイツ人のフランツ・バルツァーが設計するはずでした。しかしバルツァーの提案した瓦屋根の日本建築様式駅舎は、当時の西洋かぶれの日本政府に受け入れられず。結果、日本の近代建築の父・辰野金吾が設計を請け負うことになったのです。
こうして辰野金吾設計の東京駅は1914年に開業。開業直前までは、東京駅ではなく『中央停車場』という名称だったそうよ。
で、当時は国内外の賓客を迎えるホテルが少なかったため、『駅舎の中にホテルを作ろう!』と1915年に東京ステーションホテルが誕生しました。
関東大震災にも耐えた東京駅ですが、1945年の東京大空襲で駅舎の3階部分と南北の丸屋根ドームが焼失。その後の復興工事で、もともと3階建て丸屋根だったのを2階建て八角屋根の姿に変えました。
東京駅は1947年からこの2階建て八角屋根の姿で60年間営業してきたので、どちらかと言うとそちらの姿の方が馴染みある方も多いかも。
その後2003年に国の重要文化財に指定され、「駅舎を元の姿に戻そうぜ!」と2007年から保存・復原工事が着工。約5年の歳月をかけて2012年に再開業しました。そんなこんなで現在の東京駅は、辰野金吾が設計した創建当時の姿が甦ったもの。これだけでもロマン半端ないよね。
で、外観で見てほしいのがココ。2階と3階を境に、レンガの色が異なっているでしょ?
これ、2階以下は創建時のレンガを保存、3階部分は復原した新しい化粧レンガなので色が違うんです。
広報さんに教えてもらうまでミリも気付かなかった!!!面白いー!
そして駅舎の中央部に造られているこちらが『貴賓玄関』。普段は開かずの扉ですが、皇室の方が列車を利用する時などに使うそうです。
エンペラー!
ちなみに2017年から東京駅が再び信任状捧呈式(詳しくは検索してね)の出発点となっており、新しく着任した大使はここから馬車か車に乗って天皇陛下に挨拶に行くんだって。オシャレ。2020年はコロナの関係で車オンリーだそうですが、私だったら絶対に馬車に乗りたい。むしろ馬に乗りたい。
ま、そんな感じですごい建物なんですよ。国指定の重要文化財の中に宿泊できるというのも、なんだか興奮しますよね。え?しない?してよ。
「旅人の喜び」クレマチスを探せ!
SAORIさん、ロビーの床を見て下さい
綺麗に磨かれていますね
違う、そこじゃない。
床にデザインされているこの花は、クレマチスと言います
クレ?え?クレマ?え?
クレマチスには「旅人の喜び」という花言葉があるんですよ
東京ステーションホテルでは、“旅の素敵なひとときを体験してもらおう”という想いをこめて、ロビーの床にクレマチスをデザインしたんだそう。
なにその全旅人が泣きそうなストーリーは!最高かよ。
ロビー以外にもちょこちょこクレマチスデザインがあるので探してみて下さい。宿泊者専用出入口の絨毯にもデザインされていたよ。
ドームレリーフを間近で見る
東京駅舎復原の目玉と言えば、そう。南北のドームレリーフ。あの丸屋根のドームを内側から見た時に見えるレリーフ(浮き彫り細工)です。
ドームレリーフを間近で見られるのが、宿泊者専用のアーカイブバルコニー。
窓は開きませんが、ご覧ください。ドームレリーフの細かな部分まで見ることができます。丸の内の南北改札を出たところからも見えるけれど、ここが一番近くで見れます。宿泊者のみの特権です。
アーカイブバルコニーには詳しい解説も貼られているので、ぜひこちらを見ながら見学下さい。
と言いたいところですが、ちょっとだけ解説しましょうかな。
天井の中心には鉄道をモチーフにした『車輪』の飾り、そして車輪のまわりにはなんと『クレマチス』。ここにもいたのか、クレマチス!そして稲穂を掴んで飛んでいる鷲が8羽。
さらにその下の緑色の丸の中には、八角形の方位にしたがって干支のうちの八支の彫刻があります。ちなみにここには子(北)、卯(東)、午(南)、酉(西)の四支がいません。
東京駅と同時期に改修が行われていた辰野金吾設計の武雄温泉楼門(佐賀県)の二階天井の四隅には、東京駅にはない四支(子・卯・午・酉)の彫り絵があるんだそう。偶然なのか、何か意図があるのか。「これは武雄温泉にも行かなきゃなー」と思わせる辰野金吾、策士ですな。
個人的に驚いたのが、これらのレリーフの復原方法。なんと図面が残っていなかったため、
白黒写真からレリーフ細部の形状検討を行った
んですって。調査から完成まで6年半かかったらしい。
まじリスペクト!
いや、本当に尊敬ですよ。
いいですか、小僧ども(誰?)。君らは「(自称)インフルエンサーの〇〇さん、まじリスペクト」とか言ってる場合じゃない。リスペクトすべきはこうした貴重な文化財などを保存・復原する専門家や職人さんや関係者各位であり、決して中身のないクソみたいな情報商材を売っている自称インフルエンサーではない。
おっと!話が逸れましたが、実はこの復原されたレリーフの中に創建当時のオリジナルレリーフがあるのです。それがこちら。
この赤丸で囲った部分。黒いポツポツがあるでしょ?これが、創建当時のレリーフです。
戦争で焼けてしまったドームの屋根裏に、一部残存していたんだって。その中でも状態の良い物を、こうして南ドームに戻したのです。100年前のオリジナルのレリーフは、『生かし取りレリーフ』と呼ばれています。忘れずに見てみてね!
またこのドームの床部分は、復原前(戦後の復旧工事後)のドーム天井のデザインを後世に伝えるために、その意匠を残したもの。そしてなんと、南北で床の石の色が異なるんですって!
南ドームにはホテルのエントランスがあるので暖色系の石、北ドームにはステーションギャラリーがあるのでクールな雰囲気の青系の石になっているんだそうな。ぜひ見比べてみて下さい。
ちなみに『ドームサイド』の部屋に宿泊すれば、部屋に居ながらここと同じ景色が見られます。東京駅の特別な眺めを楽しみたい方はぜひ『ドームサイド』の部屋に宿泊を。
館内の散策が楽しい
ドームレリーフを始め、館内の至る所に点在するアートワークを見て歩くのも楽しい東京ステーションホテル。上の写真はレストランエリア。ここは宿泊者以外もレストラン利用時に入ることが出来ます。
保存・復原工事前、この辺りは「ばら」という洋食レストランだったので、今でも薔薇やツタのデザインがされているんだって。
そしてここの壁に掛けられているのは、100年前のレリーフ(状態が悪くドームに戻せなかったもの)をアートワークにしたもの。
実際に触れることも出来ます。100年の歴史に、文字通り触れてみて下さい。
このアートワークは“じだいしょう”と言います
時代…しょう?しょう…
“じだいしょう”の“しょう”って、どう書くんだろう?と首を傾げていると、突然背後から
「“しょう”は、手偏に少ないって書く漢字よ」
というささやき声が。振り向くと見ず知らずのご婦人が立っているではありませんか。
お、隠密か!
びっくりした…心読まれたわ。恐るべし、隠密婦人。そしてありがとう、隠密婦人。
そう、“じだいしょう”は『時代抄』と書きます。受け継がれてきた歴史の一部をすくいとった作品、という感じですかね。素敵。
丸の内駅舎が全長335mととても長いので、客室廊下もすごく長い。
ホテルスタッフのアイデアでこの長い廊下をギャラリーに見立てて、東京駅や鉄道、ホテルにまつわる資料が展示してあります。
うわ!俺、これが一番好きかも!
どれどれー?
< シベリア経由 一枚ノ切符デヨーロッパへ >
うわー!!!めっちゃいいじゃん!
今でもこれ、あったら行きたいわ
これは、1927年(昭和2年)に販売が再開された欧亜国際連絡列車のポスター。東京から長崎まで行った後、釜山へ渡ってそこからひたすら大陸横断。パリに着くのは東京出発してから16日目か。楽しそう!!!
いいな、私もシベリア鉄道で大陸横断したいと思っているんだよね。ロマンだよね。
こんな感じで客室廊下にも貴重な資料が展示してあるので、のんびり散策してみてね。
ここで館内のちょっとした豆知識を。
東京ステーションホテルの廊下はすっごく長くて、どこにエレベーターがあるか分かりづらい…という時はこのランプシェードの色で判別して下さい。
エレベーターの所のランプシェードだけ、客室のランプシェードと色を変えてあります。ここはオレンジ色ですね。
あとはこの螺旋階段も、写真スポットとして人気らしい。
使われていなかった駅舎の中央屋根裏の空間は、ゲストラウンジ『アトリウム』になっています。「朝食を食べるために泊まりにくる」という人もいるくらい人気の朝食は、このアトリウムで食べます。朝は天窓から光が差し込んで、とっても明るい空間になるんだよ。
アトリウムに関してはまた今度、朝食の話の時に書きますね。
(そろそろ疲れた)
以上、建物編でした!
ホテルチェックイン時に『館内ガイドツアー』という冊子を貰えるので、それを片手に自由に館内を回ってみて下さい。
<つづく>
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