2018.01.01(mon) UAE・モロッコ・セネガル旅行9日目

ハッピーニューイヤー!
2018年の元旦は「ラックローズ」で過ごすと決めていました。
首都ダカールから北東に30kmほどの位置にある湖。一定の条件下においてピンク色に見えることからラックローズ(Lac Rose / バラ色の湖)と呼ばれている。正式名称はレトバ湖(Lake Retba)。塩分濃度が非常に高く、一部エリアでは最大40%の塩分濃度を有する。
ざっくりこんな感じの、要は塩湖です。ピンク色に見えると言ってもラックローズのそれは苺ミルクのようなパステルカラーではありません。例えるなら「いや~今日も1日肉体労働頑張ったわ~」みたいなピンク色です。
例えが分かりづらいですが、見れば分かってもらえると信じてHere we go!
ローカル路線バスでラックローズへ
ラックローズへ行く手段はいくつかありますが、今日はのんびりローカル路線バスで向かいたいと思います。まずは宿からタクシーで「ポストチャーロイ」というバス停へ。
そこから“LAC ROSE”と書いてある73番バスに乗ります。これに乗れば終点がラックローズなので楽チン!
今日のメンバーはこんな感じ!
ポストチャーロイ(post thiaroy)のバス停からラックローズ(Lac rose)までのバス代は400F(≒80円)。
満員になったところで出発ー!
バスはドア開けっぱなしで走ります。

開放的ぃ!
ポストチャーロイからラックローズまでは、所要時間1時間半~2時間。のんびりバス旅を楽しみましょう。窓の外には混沌とした風景が広がります。
ゴミ!プラスチックゴミ!捨てすぎ!
昨今プラスチックごみ問題と言うと、パッと「SDGs(Sustainable Development Goals)」が思い浮かぶようになってきましたよね。持続可能な開発目標。
SDGsには貧困、教育、水・衛生、エネルギー、経済成長と雇用、海洋陸上資源などなど、全部で17の目標が掲げられています。
それぞれが独立した問題ではなく、これらが複雑に絡み合った結果が現状なんだなぁ。貧困だったり、衛生だったり、持続可能な消費生産だったり、資源だったり。窓の外を眺めているだけだったけれど、色々考えさせられました。
ラックローズは果たして何色なのか
ローカルバスに揺られて1時間半、ラックローズに到着!ラックローズは条件が合えばピンク色に見える確率が高くなる湖。
そんなラックローズ、今日は何色かな~?

薄汚れたピンクだ!
やった、ピンク色だ。ピンク色というか、ちょっと紫が混ざったような色!私はおみくじは引かない主義ですが、こうして各地のベストな状態を見ることが出来るかどうかで運試しをする傾向があります。このラックローズの色からして、今年は大吉よりの吉かな!
手前は真水の水溜まりなのですが、こう比較すると色の違いは一目瞭然!
ちなみにラックローズがピンク色になる条件は、
- 乾期(11月~6月)
- 良く晴れている
- 風が強い
- 11時頃
です。ただこの条件下でなくとも見れることはあるだろうし、逆にこの条件が揃っても見えないこともあると思います。オーストラリアのオパール鉱山では「オパールが見つかるかどうかはお前の磁場次第」と言われましたが、ラックローズがピンクに見えるかどうかは条件+アナタの運次第。
ラックローズがピンク色に見える要因は、好塩性緑色微細藻の一種のドナリエラサリナ。海塩田で見られるこの藻は、高塩分および高光強度の条件下で、細胞保護のためにカロテノイドという色素を生成します。それらによって湖がピンク(というか橙赤色)に見えるというわけなので、先程挙げた条件はやはり必要事項なんだな。
かつての「パリダカ」ゴール地点だった
ここラックローズは昔、あるレースのゴール地点になっていました。そのレースは何かというと、そう。
ダカール・ラリーです。2009年に舞台を南米へ移す前は、パリstart→ダカールgoalだったので「パリダカ」と略称されていました。
「世界一過酷なモータースポーツ競技」とも言われているダカール・ラリー。なぜ世界一過酷と言われていたかというとアフリカ大陸がコースに入っていた時代は、集落や救護施設のないサハラ砂漠を縦断したり、政治的に不安定な国が競技区間に入っていたり、年によっては死者も出たことからそう呼ばれていたのだそう。
実際過去のラリーの歴史を見てみると、モーリタニアで地雷を踏んで焼死とか、強盗やテロ組織の襲撃とか、何者かによって射殺とか、もはやモーターの性能とかドライバーのテクニックでどうにか出来る問題じゃない内容が連なっています。興味ある方は調べてみてね。
あ、そんなダカール・ラリーの終点にしばしばなっていたのが、このラックローズです。
ラックローズに浮かんで遊ぶ
そんなラックローズ、眺めているだけでは終わりません。
じゃん!このボートでラックローズに乗り出しましょう!
手漕ぎボートは大体1艘あたりいくら、と言われるので、人数多い方がお安く乗れます。
で、湖がピンクに見える日はけっこう風が強いので、時折水飛沫が飛んできます。それがまぁ、しょっぱいを通り越して苦い。塩分濃度が半端ない湖なので、もし水が目なんかに入ったもんなら多分悶絶です。全力で粘膜を守りましょう。
粘膜を守って浮かぼうラックローズ
「粘膜を 守って浮かぼう ラックローズ」
字余りの5・7・5みたいになりました。では早速湖に入りましょう。
ボートに乗る前にあらかじめ、水着は着用しておくことをおすすめします。

ほんまに浮いた!
我らが特攻隊長、こめっち。いの一番にラックローズに入り、浮かんでみせます。

えー本当ー?

う、浮いた!!!
死海(ヨルダン)未経験の私。こんなにプカプカと浮かぶのは初体験!何もしなくても自然と水面に浮かぶこの感じ、とっても不思議な感覚で面白い!
仰向け、うつ伏せ、横向き、もうどんな体勢でも水面に浮かぶことができます。

なにこれ楽しい!
通常海水の塩分濃度は約3%、ヨルダンの死海は30%程度、そして乾期のラックローズは一部40%を超えると言われています。塩水は真水に比べて比重が大きく、その分浮力が大きくなります。塩分濃度が高いほど比重が大きく、そして浮力が大きく働くので、死海やラックローズは体がプカプカと浮かぶという訳ですね!
と、ここで。先程私が詠んだ句、覚えていますか?
「粘膜を 守って浮かぼう ラックローズ」
そんなに塩分濃度が高かったら、皮膚の弱いところとか傷口は滲(し)みるのでは…と思いますでしょう?うん、滲みるよ。そりゃそうだよ、傷口に塩を塗るって諺があるくらいだもん。間違っても顔面を水に浸けるようなことはしないでね。
まぁ傷口は絆創膏でも貼ればOK。気になるのはそう、お尻がデリケートな場合です。意外とお尻がデリケートな方、多いと思うんですよね。そうでなくてもヨルダンの死海に入った人で「お尻の穴に塩水が滲みた」という話は結構目にします。
そんな方々の為に5分ほど試行錯誤した結果(何を試行錯誤しているんだか…)、お尻に塩水が滲みにくいポーズを編み出しました!それがこちら!
足をクロスさせて浮かぶ、というもの(メンズ参照)。
こうするとお尻の穴がキュッと締まって、普通に浮かぶより滲みなくなるそうです。決して痔云々ではなく、単純にお尻ってデリケートだからさ。なんだかお尻の穴に塩水が滲みるんだよねって方はぜひ試してみて下さい。
この辺りは水深1mそこらなので、立つこともできました。ボート漕ぎのお兄さんが「湖の底の泥を塗ると肌がすべすべになるよ」と言ったので、とりあえず塗りたくってみました。各地で「10歳若返る」だのなんだの言われて泥とか砂とか塗りたくっています。効果があるかどうかは知りません。



かけちゃうぞ~

かけちゃうぞ~
仲良しか。
ラックローズから上がった後、体が乾くとこんな感じで勝手に塩が出来上がります。炊いた米を持って来れば、塩おにぎりが作れますね。
湖の湖畔にある真水が湧いているところで体を洗い流します。そうしないと塩で体がヒリヒリしてくるので。真水はけっこう冷たいです。風邪ひかないようにね!
湖畔ではお土産も売っている
ラックローズは塩湖なので、塩の生産をしています。湖の周りには塩の山。
湖畔には露店が並んでいて、お土産を売っています。
これはサンドアート。セネガルのサンドアートは美しいことで有名。私はこの写真の一番手前、ブルーのドレスを着た女性のサンドアートを購入しました。ブルーのグラデーションがとても綺麗で気に入っています。
他にもラックローズで採れた塩とか、セネガルバスケットとか、毎度おなじみアクセサリーとか。ぜひ思い出にどうぞー。
てな感じで、ラックローズ制覇!
また海外行けるようになったら、ぜひ行ってみてね!
ラックローズの場所
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<つづく>
(この記事は2017年12月~2018年1月の西アフリカ旅ブログです)
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