奈良県橿原市にある「SAORIが気になったお店」を紹介する第2弾。
『居酒屋ウエダ』へ行った日の、夜のお話です。
気になるお店「喫茶エリート」
と、おっくんに誘われました。どうやらずっと気になっている喫茶店は、1人で入るにはハードルが高く、私が奈良へやってくる機会を待っていたとのこと。
まぁ、朝から大和八木駅前にある『居酒屋ウエダ』に単身乗り込み、朝定食をキメてきたSAORIからすれば、喫茶店に入るなんて赤子の手をひねるようなもの。一緒に行ってあげようではないか。
そう言っておっくんが指差す先には、、、
エリート…だと…?
夜しか開いていない変な店には耐性がある。そんなのは五条先生の言葉を借りれば「町でアンケートを取られたくらいのハプニング」であり、大したことのない特徴である。
この店に入るにあたっての最大の問題は、
己がエリートか否か。
この店に入る資格があるのかどうか、ということが最大の問題なのだ(SAORI論)。
エリート 〘名〙 (élite) ある社会において、将来その社会の知的指導者層の一人となりうるような優秀な素質、力があると認められた者。また、その結果として社会的に高い地位を与えられて、指導的な役割を果たしている人。選良。
精選版 日本国語大辞典
そう。エリートとは皮肉でも自慢でも何でもなく、本来手放しで称賛されるべき立派な人なのだ。うむ、実に立派だ。エリートにはこれからも立派に、知的指導者として人類を導いてほしい。
そんな単語を店名にしている喫茶店はつまるところ、エリートの、エリートによる、エリートのための喫茶店。The coffee shop of the elite,by the elite,for the elite.それが喫茶エリートなのである。
困った事にSAORIはエリートでもなんでもなく“有象無象”という言葉がぴったりな一般会社員。自慢じゃないけれど、社会に対して知的な指導をしたことなど一度たりともない。断言できる。むしろ指導をしない方が社会のためですらある。
そんな私が喫茶エリートに入るには、エリートらしき人物を帯同するしかない。
おっくんの学歴を盾にした凡人、喫茶エリートに堂々と潜入入店です。
「喫茶エリート」の店内
既に店内には、カウンター席で寛ぐ2人のエリートがいました。
手前のエリート客は、焼酎片手に熱心に新聞を読んでいます。アルコールで場の空気を和ませつつ、巧みに地域情報を得る。これはまごうことなき諜報型エリートです。
奥のエリート客は、スマホ片手に大事な会合の最終調整をしている様子ですが、何を喋っているのかさっぱり分からない。標準語と関西弁と独自言語を操るトリリンガルエリートのようです。
入店してさっそくの大型エリート出現に立ちすくむ我々。「どうぞ、好きな席に座って」と、お店のお母さんに声を掛けられ、テーブル席に座ることにしました。
喫茶エリートの店内は、お店に入ってすぐ右側(カウンター席より入口側)にスキップフロアのようになった空間があり、そこがテーブル席となっています。カウンター席の奥にも同じような空間と、半地下空間があるらしい。
『夜しか開いていない』『地下がある』というのが、札幌のピープル・ピープと同じでなんか嬉しい。
「喫茶エリート」のメニュー
では、喫茶エリートのメニューを見てみましょう。
予想以上にメニュー豊富!と思ってよくよく見てみると、8割は液体でした(SAORI的にアイスもかき氷も液体に分類)。まぁ、喫茶するところですもんね。
お腹が空いている我々は、まず軽食を頼むことに。喫茶店と言ったらやっぱり“ナポリタン”が定番ですよね!ここではイタリアンスパゲティと言うのかしら?ということで。
喫茶なのにイタリアンスパゲティがないだと!?
なんでだよ。
あ~イタリアンスパゲティも無ェ!ミートスパゲティも無ェ!私の脳内で吉幾三が早口で熱唱です。
スパゲティが2種類とも無いだなんて…もしやお母さん、乾麺のストックが切れてしまったのですね?それならすぐそこのセブンイレブンで買ってきますよ?
それとも、ミックスピザやピザトーストがメニューから削除されていることから推測するに、喫茶エリートは“脱ケチャップ喫茶”を図っているのかもしれない。SDGsが目指す、脱炭素社会ならぬ脱ケチャップ喫茶。脱ケチャップによってどの資源を守ろうとしているの?トマト?まさかトマト?(うるさい)
ということで、麺は全滅。
かと言って、夜ごはんがサンドイッチやトーストでは満たされない。
となると、残るはヤキメシしかない。
ヤキメシとフライドポテトはオーダーが通った。良かった、麺は無いけど米はあるんだ。
「喫茶エリート」の軽食
しばらくすると、キッチンの方から包丁のトントントンという小気味良い音が聞こえてきました。てっきり冷凍チャーハンをチンかな?と思っていたので、まさかの手作りに嬉しくなります。フライパンで炒める音も聞こえて、そして…
めちゃめちゃ美味しそうなヤキメシが出てきた!具はピーマン、ソーセージ、卵、タマネギ。とってもいい香りが漂います。
付け合わせは福神漬け。福神漬けが付いてくるヤキメシ、初めて見ました。
あとフライドポテト。シンプルな、芋。
フライドポテトと一緒にお母さんが持ってきたのは、ケチャップではなく焼き塩。喫茶エリートが“脱ケチャップ喫茶”を目指している可能性が一段と濃厚になりました。
小さい頃に母親が作ってくれたような、やさしい味のヤキメシ。これは美味しい!
「喫茶エリート」のドリンク
コーラ狂のSAORI。コーラフロートにしようと思っていたけれど、チラっと目に入った“カルピスコーラ”という初対面コーラメニューに興味がわき、それを注文。まぁ、名前のままカルピス+コーラな飲み物なのだろうけれど、何事も経験。
こちらがカルピスコーラ。味は、カルピスのコーラ割りでした。
気になって調べてみると、このカルピスのコーラ割りは「キューピット」という名称のドリンクとして、大阪の喫茶店では定番メニューだったようです。
おっくんの頼んだミックスジュース。おっくんは大体、ミックスジュースとか、バナナシェイクとか、そんな感じの飲み物が好きです。東南アジア向きだね。
本日のお会計は2,000円。喫茶エリートは入るまではなかなかハードル高め(店名含め)でしたが、入ってみるととても居心地の良い、落ち着いた純喫茶でした。
大好きです「喫茶エリート」
そして帰り際、店内にこんなメニュー看板があったことに気付いたSAORI。
限定ものに弱いSAORI。今夜限りの理由によっては、今から再入店してでも飲まなければならない。 するとお母さん。
あるんかい。
毎日あるのに『今夜限り』と煽る、喫茶エリート。
その事実を悪びれることなく言ってしまう、喫茶エリート。
ゴーイングマイウェイ、喫茶エリート。
最後に喫茶エリートが大好きになりました。
そんなこんなで、今宵も喫茶エリートには奈良県内、いや、日本全国のエリートたちが集っていることでしょう。我こそはエリート!と思う方は、ぜひ喫茶エリートで今夜限りと言いつつ毎晩あるジントニックを飲んで、感想を私に教えてください。
私はまた気が向いたら、パスタ(乾麺)とケチャップ持参してお邪魔しますね。
「喫茶エリート」基本情報
住所 | 奈良県橿原市内膳町1丁目5-15 |
電話 | 0744-22-3150 |
営業時間 | 16:30~23:00 |
定休日 | 木曜日(多分) |
予算 | 1,000円~2,000円 |
公式サイト | なし |
(この記事は2021年4月の奈良旅ブログです)
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