12/30 オーストラリア縦断旅6日目
日が沈んでも気温が下がらず、肌がじっとりと汗ばんだ昨夜とは一転。
クーバーペディの朝は程よく涼しく、乾燥した風が心地良い。

おはようございます
時刻は7:00。朝の日差しで一気に目が覚めます。
普段は二度寝どころか三度寝して、ようやくゾンビのようにベッドから這い出るのに。旅行中は不思議なくらいシャキッと体が起きるのは、やっぱり細胞がワクワクしているからなのかしら。
朝日に向かって思いっきり伸びをすると、伸ばした筋がじんわりとして、血液が末端まで流れていく感じがする。

とりあえず、汗と砂まみれだからシャワー浴びるか
シャワールームの入り口はオートロック。宿泊者はチェックイン時に暗証番号を教えてもらえます。
クーバーペディは年間の総降水量が160mm程と少なく、水がとても貴重なためシャワーは有料。20セント硬貨を入れる機械が各シャワーブースについており、お金を入れるとシャワーが出る仕組みです。
有料なのは問題ないのですが、入れられる硬貨が20セントのみというのが不便。3人の小銭を漁って、なんとか20セント硬貨3枚(ひとり1枚)を見つけました。しかし20セントで何分間シャワーが出るかの記載がない。

この硬貨1枚に賭けるしかない…
なにこの黒ひげ危機一髪みたいな緊張感あるシャワー。
泡立器で生クリームを作るかの如く高速で自身を泡立て、髪の毛、体、顔を洗います。そして泡を流し終わり、残ったのは若干の疲労感。でも幸いにもまだシャワーは出ているので、美容室方式で『痒いところはございませんか?』と聞かれたらと想像し、
(そうだな、あえて言うならもう一度足の指の間でもしっかり洗っておくか)
と、手のひらにボディソープを出したところでシャワーが止まった。

あっぶね、あっぶねー!
肌感覚でシャワーが出ていたのは3分くらい。ギリギリ間に合った。(手のひらに出したボディソープは容器に戻した)日本人の平均シャワー時間は10分前後。これを私のようなロングヘアーの人でも3分に収めるコツは、
- リンスインシャンプーを使う
- 髪→体→顔の順で洗い、最後に一気に流す
- 形振り構わず無心で洗う
以上です。
シャワーを浴びたところでフロントへ行き、宿泊費の支払い。宿情報は後でまとめますが(多分)、3人で27ドル。1人あたり9ドル(1ドル76円換算して684円)。激安だった!
ついでに「クーバーペディのツアーはある?」と尋ねると、『あるわよ、あと5分後に出発するから早く準備してらっしゃい』
ご、5分後…!!!
急いでテントを片付け、水、カメラ、帽子、サングラスを持ちフロント前へ。
我々が参加したのは、宿泊したOasis Tourist Parkでおこなっている『The Town and Mine Tour』。クーバーペディ町内の主要なスポットを案内してくれるツアーです。
出発:午前8時30分
所要時間:約3時間
予約方法:ツーリストパークのフロント or 電話(08)8672 5169
料金:大人45ドル / 子供22.5ドル(6-16歳、3人目以降の子供は無料) / シニア42ドル
WEBサイト:https://www.oasiscooberpedy.com.au/index.php/tours/city-tour
ガイドはGeorge。Georgeの運転するマイクロバスに乗り込み、ツアースタートです。Georgeの英語はバリバリオーストラリア訛りで、ほぼ聞き取れませんでした!てへ!
まず向かったのはCatacomb Churchという教会。何て読むんだ?カタコンブ?昆布?
外から見た感じでは、教会の雰囲気は全然ありません。
教会、オープン。
中に入ると、ちゃんと教会でした。
クーバーペディは世界屈指のオパール採掘地。オパールを求め掘り進めた穴を利用して、このような教会が造られたらしい。
岩肌剥き出しの荒々しい壁が、これまた素敵。
祭壇には飲み物が。

あ、ぶどうジュースだ、飲んでいいかな?

欲求のままに生きるのやめれ
祭壇の奥の天井部分には長ーい長ーい穴が2つ。ここからこの広い空間が掘り進められたんですって。地上に接している部分にはフタがついていて、そこからワイヤーを垂らし、教会内から開閉が出来るようになっています。
ガイドのGeorgeが『ここは最高に写真が映えるスポットなんだ!』『カメラ貸して。そんで手を繋いでここに立って!』と言うもんだから、言われるがままにカメラを差し出し、そして3人で手を繋いで輪になる。
そしてローアングルというか、真下から仰ぐようにパシャリ。
『う~ん、最高に映えてるぜ』
ジョージお墨付きの映え写真がこちら。
えっと…映えって、なんだ?
2つの穴を背景にサークル組んだ3人が、微妙な笑顔で写っているこの写真。映えの概念が音を立てて崩壊した瞬間です。映え要素を探そうと写真を凝視していると、段々と2つの穴が大仏様の鼻の穴に見えてきます。煩悩よ、去れ!!!
ああ、そうか。ここは地下都市クーバーペディ。きっと魔都TOKYOとは時空軸が歪んでいて、これがクーバーペディというかGeorge流の『映え』なんだ。いやむしろ歪んでいるのはTOKYOの方かもしれない。タピオカという、キャッサバの根茎から作ったでんぷん質の塊を、狂ったように崇めているのだからね。
(私は台湾のスタンドで売っている、タピオカ×ナタデココ×パッションフルーツのジュースが好き)
映えの概念を木端微塵にし生まれたてのピュアな映え心を取り戻したところで、次のスポットへ。岩山の上に掲げられたWELCOMEのブルーが青空と同化しそう。
はい、こちらも教会です。おじゃましまーす。
先程の教会と違い、こちらはスロープを下りずんずん地下へと降りていきます。あれ、なんだかちょっとRPG感出てない?ダンジョンっぽい。
ダンジョンと言えばもう7年間新宿に勤めていますが、未だに新宿駅というダンジョンが攻略できない。
スロープを下りきったところで
こちらがSerbian Orthodox Churchという地下教会です。
おお、なんだかすごいな!急に厳粛な教会感醸し出してきた!これRPGだったら余裕で死者甦りますね。死者以外にも余計なものまで色々甦りそうですね。五角関係になって気が付いたら自分にだけ向いている矢印がなかった記憶とか。やめてっ!どんな奇跡!

え、George、こっちのが映えてない!?
この教会において、Georgeは至って冷静でした。むしろ無表情でした。先程写真を撮ってくれた、輝きに満ちた瞳のGeorgeはもういない。彼にとっての映えスポットが、先程のCatacomb Churchだということは揺るぎない事実のようです。
ちなみにこの教会は名前の通り、セルビア人のコミュニティによって造られたものだそう。先程の教会と違い天井がとても高く、造形も凝っている。
ここで一緒にツアーに参加していた日本人の女の子(ワーホリの子かな?)が、『何か歌ってみてくれ』とGeorgeに無茶振りされた。マジで恐ろしい男だよ、George。お前が歌え。
Georgeが言うには、この教会はとても綺麗に音が反響するんだそうな。女の子が何を歌ったか忘れてしまいましたが、たしかに音が響いて綺麗でした。(歌を歌ってくれた女の子に拍手。私だったら逃げ出す)
この教会のビザンチン様式の彫刻をしたのは、NORN ASTONという方らしい。仏像見ても思うけど、手彫りで創るって本当にすごいよねぇ。
と感心したところで3,000字に達したので、次回に続く。
<つづく>
(この記事は2018年12月~2019年1月のオーストラリア縦断旅ブログです)
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