友人の知人だと思ったら、全くの他人だった話

モンゴル 旅行 旅の随筆
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SAORI
SAORI

昔の友は今も友~

こんにちは。俺とお前と大五郎、SAORIです。

と言ってみたものの、ここだけの話、私は友達が少なめな人間なので『俺(私)とお前(友達)と大五郎(焼酎)』ではなく『俺(私)と大五郎(焼酎)』という、焼酎とマブダチみたいなシチュエーションになってしまうのではないか、と心配です。

ちなみに大五郎を飲んだことは一度もありません。

そして今日の話に大五郎は然程、関係ありません。

大五郎のことはもう忘れて下さい。

 

2019.06.11(tue)モンゴル旅行2日目

モンゴルで迎える初めての朝。

今日は「テレルジ国立公園ツアー」に日帰りで参加する予定。おそらく観光でウランバートルを訪れる97.8%の人が行くのではないだろうかというくらい、モンゴルの代表的な観光スポット・テレルジ。楽しみです。

まずはホテルで朝ごはん。腹ごしらえは大事ですからね。

モンゴル 旅行

ご覧ください、私のやる気満々Tシャツを。

本日のTシャツは自作のモンゴルTシャツ。モンゴル人に「Oh~Mongolia T-shirt!!! It’s cooool!!!」とか言われたいので、今日は不自然なまでに胸を張って生きていきたいと思います。

モンゴル 旅行

この日は同じホテルに米兵の方々が泊まっていたらしく、なかなか緊張感のある朝食となりました。

 

さて。朝食も済んで、本日のツアーガイドとホテルで待ち合わせ。

今日参加するのはプライベートツアーなのですが、どういった経緯でプライベートツアーを申し込んだかという話からさせていただきます。

 

まず、アメブロ時代から私のブログを読んでいる方はご存知でしょう。私の友人に「たくみ君」という人がいます。個人的にはたくみ君と24時間過ごすより、大五郎と24時間過ごした方が良いなぁというくらいの間柄です。ちなみに大五郎と24時間過ごすとアル中になります。

たくみ君と出会ったのは南米パタゴニアのエル・カラファテという町の宿。宿の共有スペースで

たくみ君
たくみ君

すみません、ここWi-Fiありますか?(活舌最悪)

SAORI
SAORI

は?

というのが初対面の会話です。とりあえず活舌の悪い、挙動不審な奴だなと思いました。

たくみ君は約100ヶ国渡航しているツワモノなのですが、彼の特徴は“スタン系の国を全制覇したという「スタン系男子」。タリバンが掌握して今後の情勢がさらに不安なアフガニスタンにも行っているのでね、マニアックな情報が気になる方はTwitterとかフォローしてみて下さい。
(※カザフスタン・トルクメニスタン・ウズベキスタン・タジキスタン・キルギス・アフガニスタン・パキスタン)

 

そんなたくみ君。2019年の2月にモンゴルへ行っていて、その時のモンゴル人ガイドさんが日本語ペラペラな上にとても良くしてもらったとのこと。

たくみ君
たくみ君

僕の名前を出して、同じガイドさんを頼むといいですよ

SAORI
SAORI

たくみ君の紹介って言えばいいのね

たくみ君
たくみ君

はい、たくみがお世話になった○○さんをガイドで、と頼めば大丈夫です

たくみ君
たくみ君

きっと良くしてくれますよ

ということでたくみ君を信じ、現地ツアー会社にて○○さんというモンゴル人ガイドさんを指名。ツアー会社からも『当日はご指名いただいた○○にて案内します』と返事をもらった。これでバッチリだ。たくみ君からの事前情報だと○○さんは、

  • 奥さんが日本人
  • 日本語がペラペラ
  • ともに酒を飲みまくった
  • 2日酔いで空港への見送りをしてくれなかった

という感じの人らしい。いいんだか悪いんだか良く分からないけれど、まぁいい。本来何の繋がりもないガイドも「友人の知人」というだけで共通の話題ができ、「同じ人を知っている」というだけで少し待遇が良くなったりもする。会話に困ったら、とりあえずたくみ君の話でもしておけば良い。

 

モンゴル 旅行

ホテルのロビーで待つこと十数分。

私たちのもとにガイドさんらしき男性が歩み寄ってきました。

SAORI
SAORI

あ!○○さんですか?

ガイド
ガイド

ハイ、○○デス。SAORIサンデスカ?

SAORI
SAORI

はい、今日はよろしくお願いします!

ガイド
ガイド

ハイ、デハ、イキマショウ

そう言うと、スタスタとホテルを出て車に向かうガイドさん。

よし、ここらで一発打ち解けておこうと思い、さっそく

SAORI
SAORI

たくみ君がよろしく言ってました~

SAORI
SAORI

○○さんにすごく良くしてもらったって言ってましたよ

と、たくみネタを振るSAORI。するとガイドさん。

 

無反応。

 

あ…れ…?聞こえなかったのかな…?うん、ウランバートルは車の音とかでうるさいからな。私の小鳥のさえずりボイスじゃ聞こえないよな。そうだそうだ。もっと大きな声で言わないと!

そんな私のプチ反省会なんて知る由もなく、普通に会話を始めたガイドさん。

ガイド
ガイド

そうそう、僕、もうすぐ日本に行きマス

SAORI
SAORI

旅行ですか?

ガイド
ガイド

いえ、日本で働きマス

SAORI
SAORI

へー!日本のどこですか?

ガイド
ガイド

三重県デス

三重県とな。偶然にもたくみ君の実家は三重県。これはチャンスとばかりに

SAORI
SAORI

三重県ですか!たくみ君も三重県出身なんですよ~奇遇~!

と、大声でたくみネタを振ると、

ガイド
ガイド

・・・さ、車に乗ってクダサイ

 

ちょっと待てい。

 

君ら、2日酔いになるまで一緒に飲んだ仲じゃなかったのか?たくみとガイドと大五郎の仲じゃなかったのか?たくみ君という存在は、ガイドさんにとって二度と触れられたくない禁じられた思い出なのか。一体何があったんだ。

 

SAORI
SAORI

おっくんおっくん、

SAORI
SAORI

さっきからたくみネタ振ってるのに、

SAORI
SAORI

全部スルーされるよ

おっくん
おっくん

たくみのこと、覚えてないんじゃない?

SAORI
SAORI

いや、でも俺とお前と大五郎の仲だよ?

なんなん、その大五郎基準。

一緒に過ごした人が、自分のことをすっかり忘れてしまっているだなんて。そんな悲しいことはあるだろうか。いや、ない。なんとかして彼の記憶の片鱗に触れることが出来ないだろうか。そう思い、その後も会話の中で無理やり「たくみ君」というワードを3回ほどぶち込んでみた。

 

全てスルーされた。

 

なぜだ…なぜなんだ…どうしてそこまで頑なに「たくみ君」ワードをスルーするのだ。昔、就職活動で大手不動産会社の面接を受けた時に『今夢中になっているものは?』と聞かれたので、正直に「鉄塔です」と答えたら、見事にスルーされた時と同じくらい悔しい。(※鉄塔や工場、ジャンクション、廃墟にハマっていた時期がありました)

もう、たくみ君とガイドさんの関係なんてどうでもいい。普通のモンゴル話をしよう。

モンゴル 旅行

そう思い、観光スポットに向かう車の中で

SAORI
SAORI

△△って何ですか?

と、モンゴルの歴史だか習慣だか文化だかについて質問してみた。すると、ガイドさんは蒙日辞書をものすごい勢いでめくり、

ガイド
ガイド

えーっと…えーっと…これは日本語で何て言う…

と数分悩み、そして辞書をそっと閉じ、

説明することを諦めた。

SAORI
SAORI

おい、諦めんなよ!

ここでSAORIは違和感を覚えた。

SAORI
SAORI

あれ?そういえばたくみ君の話じゃ、○○さんは奥さんが日本人で、○○さん自身もすごく日本語が堪能だと言ってたなぁ

目の前にいるガイドさんは、日本語はたしかに喋れるけれど堪能とまでは言えない。

何かが、何かがおかしい。

そこで私は、彼がさっき話していた“もうすぐ日本に行く”という話から、家族も一緒に行くのか、子供はまだ小さいのか、という話題に持って行き、彼が自ら家族写真を見せるように仕向けた。

ガイド
ガイド

これが僕の家族デス

ガイド
ガイド

子供、可愛いデショ

SAORI
SAORI

本当だ~!すごい可愛いですね!

と言う私の眼球は、彼の子供ではなく、彼の奥さんをガン見していた。

 

どう見ても、奥さんモンゴル人だわ

 

どういうこと?目の前にいる○○さんは赤の他人?いやでもちゃんと名乗ったし、ツアーの書類も持っていたし…。まさかこの短期間に再婚?いやいや、それはない。

てかこの人、マジで誰?

混乱するSAORI。意を決して、○○さんに単刀直入に尋ねてみた。

SAORI
SAORI

あの、○○さんって、2月にたくみ君を案内したガイドさんですよね?

すると、

ガイド
ガイド

それはわたしの兄です

 

「そ れ は わ た し の 兄 で す」

 

SAORI
SAORI

え…?

ガイド
ガイド

わたしは弟の▲▲○○です

ガイド
ガイド

たくみさんのことは知りません

 

(´・ω・`)

(´・ω:;.:…

(´:;….::;.:. :::;.. …..

 

他人だよ。

 

この人、他人だよ!

 

ガイド
ガイド

兄は今日都合が悪く、代わりに私が来マシタ

SAORI
SAORI

いやそれ、会った瞬間に言うべき事項じゃん

兄弟とはいえ、私からしてみれば友人の知人の弟という、どうしようもなく他人だ。忘れ去られているのであろう、たくみ君に関する記憶を呼び起こそうと「たくみネタ」を一生懸命に振っていたけれど、効果があるわけがない。そもそも彼はたくみ君のことを知らないんだから。

モンゴル相撲が国技のモンゴルで、わたしは一人相撲をとっていたようです。

はい、いい感じで〆られました。
次回からこの「ガイドの弟」と一緒に周ったテレルジ国立公園ツアーのお話です。

 

<つづく>

 

(この記事は2019年6月のモンゴル旅行ブログです)

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