2018.02.15(thu)インド旅行5日目
本日はインドが誇る美しき世界遺産『タージ・マハル』を見に行きます。
「そもそもタージ・マハルって何?モスク?」ですって?うんうん、私もタージ・マハル自体が一体何なのかは、インドに行くことになるまで気にもせず。
結論としては、タージ・マハルは皇帝が愛妃のために建てた『お墓』。そこにどんなストーリーがあるのか、楽しみですね!
デリーから早朝列車でアグラへ移動
ホテルを朝4時50分にチェックアウトし、まだ真っ暗な中ニューデリー鉄道駅へ。デリーからアグラへの移動手段は列車、飛行機、車など様々ですが、一番効率よく快適にアクセスできるのは列車かな。
朝6時発の列車に乗ります。
ワラワラワラ。日本の整列乗車が恋しいよう。
一応、座席指定になっています。
ちょっとした軽食も出ました。デリーからアグラへは列車で約2時間。
ちなみにアグラ観光を効率良くこなすため、事前にアグラのプライベートツアーをお願いしていました。その場その場でタクシーやオートリキシャを交渉した方が安くあがるでしょうが、ここはインド。交渉に使う気力体力は省エネして、観光に全パワーを注ぎたい。
朝8時にはアグラカント駅に到着し、現地ガイドと合流です。
アグラ観光スタート!朝のタージ・マハルへ
アグラのプライベートツアーは、日本語対応可能で有名な『シゲタ・トラベル』さんで手配してもらいました。プライベートツアーの内容はまた書くとして。
シゲタ・トラベルさんからは事前に
弊社でガイドを手配した場合、ガイドの入場料はガイド自身が支払うことになっています。ですがたまに「ガイドの分もチケット代を払え」と言ってくるガイドもいるので、その場合はきっぱり断るか弊社に電話してください。
という内容のメールを貰っていました。
旅行会社で手配してもこればっかりは仕方ないのか…と思っていたら。ここ、タージ・マハルのチケット売り場で私たちのガイドのオッサンが開口一番、
はい、じゃあ俺のチケットも買ってくれ
ガイドのチケットはお前たちが買う決まりだ(嘘)
と言ってきた。
おいおいおいおいマニュアル通りかよ。
完全に白ける私とマリコ。まるで万人がタネも仕掛けも知っている手品を、ドヤ顔で見せつけられているような心境。
いや、その手口知ってるから…
出会って30分、既にこのガイドに対する信用はガタ落ちです。ここがタージ・マハルで良かったな、ガイドよ。もしここがホストクラブだったら、お前は秒でチェンジだわ。
(もちろん、チケットは自分で買ってもらいました)
ムガル建築の最高傑作!タージ・マハルとご対面
チケット売り場を通り過ぎて、タージ・マハルのメインゲートへ。
赤い砂岩で造られたメインゲート。立派ですね。
壁面には白大理石と黒大理石でコーランの一節が刻まれています。イスラム教では偶像崇拝が禁止されているので、文字装飾(カリグラフィ)や幾何学模様、植物の模様などで装飾を施しています。
外が明るい分、ゲートの中の空間は暗闇。そしてゲートの先には、
タージ・マハルだ!
ゲートの出口が額縁のように、くっきりとタージ・マハルの姿を切り抜いています。ゲートを抜けると…
タージ・マハル!!!
それまで写真や映像でだけ見ていた光景が目の前にバーン!と現れた瞬間の感覚は、なんとも形容しがたいものなんだけど。けっこう好きです。
確かに存在しているのに自分の中では曖昧だったモノが、突然くっきりと輪郭を帯びる。と同時に、まるで自分が夢や物語の中にいるような気もする。そんな現実と非現実が同居しているような、不思議な感覚。そしてまたひとつ、自分の世界が広がっていく。
あ、ちなみに現実はこんな感じです。タージ・マハル、大人気ゆえに大混雑!朝でコレなので、日中はもっと混んでそう。
見事なまでの左右対称!これは文句なしに美しい。
正直なところ、タージ・マハルに対する興味は薄かったのだけど。実際訪れると「なななななんじゃこりゃぁああああ!」と、徹底された左右対称の美しさに度肝を抜かれて興味が湧きました。一体どうやって、こんなにも緻密に計算された美しい建物を造ったのだろう?建設に携わった全ての人々に敬礼!こんな素晴らしい建造物を残してくれてありがとう!
はい、じゃあ記念シャシンを撮りまショウ
アナタ、ここに立って、こんなポーズをしてクダサイ
ワタシのおすすめのポーズです
と、信用ガタ落ちガイドが言ってきた。金はせびるが、曲がりなりにもガイド。今まで多くの人を案内し、沢山の写真を撮ってきたであろう。そんな彼がおすすめと言うならば言う通りにしてみよう。
指定された場所に立ち、言われた通りのポーズをとるSAORI。
パシャッ!
すっごくイイ感じに撮れマシタ。ホラ!
何が??
イイ感じの基準が分からない。両掌でタージ・マハルを持ち上げている感じで撮れているのかと思ったら、私の掌をミナレット(塔)が貫いているだけじゃないか。何がしたかったんだ。
あ、もしかして…!
あややか!
めっちゃホリディさせたかったのか。まぁね、ウキウキな夏希望だもんね(棒)。これでさらにガイドの信用がズバッと落ちたのは言うまでもない。
もうガイドの話はどうでもいいんで、タージ・マハルについて話しましょうか。
タージ・マハルは愛妃ムムターズ・マハルのお墓
冒頭でも述べた通り、タージ・マハルはモスクでも宮殿でもなくお墓。ムガル帝国第5代皇帝シャー・ジャハーンが、愛妃ムムターズ・マハルのために造ったお墓です。
ムムターズ・マハルはペルシア語で「宮殿の光」「宮廷の選ばれし者」を意味し、王妃になる際に第4代皇帝(シャー・ジャハーンの父)から賜った名前。シャー・ジャハーンのムムターズ・マハルに対する偏愛っぷりは半端なく、結婚してからムムターズ・マハルが亡くなるまでの約20年間で生まれた子どもは14人!そして第14子出産後にムムターズ・マハルは亡くなりました。
ムムターズ・マハルの死を深く悲しんだ皇帝シャー・ジャハーンは、彼女のために22年の歳月と莫大な費用をかけて、愛妃の名にふさわしい優美なタージ・マハルを建設。もし自分が死んだ時に夫が私のためにこんな墓を建てたら…と考えると、色々ぶっ飛んでるなと思います。
タージ・マハルという呼び名は、ムムターズ・マハルの「ムム」が消えて、「ターズ」がインド風発音のタージになったから、というのが由来とされています。
タージ・マハルの伝説と見どころ
そんなタージ・マハルの伝説や見どころを軽くご紹介しましょう。ちなみにタージ・マハルはその白さを守るために、裸足で見学するか、受付でもらうシューズカバーを靴に被せて見学します。
どこかの国と同じ、びっくり伝説
タージ・マハルに残されている様々な伝説。有名なところだと、タージ・マハルの対岸にシャー・ジャハーン自身の墓廟を建てる計画があった、というものでしょうか。これはまた別の記事で書くとして。私が一番びっくりした伝説は、
『タージ・マハル完成後、造営した工匠の腕を切り落とした』
というもの。その理由は「工匠がムムターズ・マハルを慕っているのに気付いた為」とか「二度とこのような美しい建築を再現できぬように」とか言われていますが。
あれ?どこかの国で同じような話があったな…
そう、ロシアの首都モスクワにある『聖ワシリー寺院(ポクロフスキー聖堂)』にも、「これ以上美しい建物ができぬよう、雷帝が建築家の眼をくり抜いた」という、とち狂った施主伝説があります。
▼コチラの記事でその伝説を紹介しています▼
なんでしょう、時の権力者って、感謝や賛美の表現方法がねじ曲がっているのかな?
わー!タージ・マハル、美しい!
もうお前の腕、切り落としちゃお!
ほげぇぇええええ
素直に現金渡してください。
見どころ:象嵌細工や浮き彫り
メインゲートにもありますが、こちらはコーランに一節を紋様化したカリグラフィで、象嵌細工の一種です。象嵌は工芸技法のひとつで、象は「かたどる」、嵌は「はめる」の意を持ち、その名の通り模様を象って素材を嵌め込んで作ります。オシャレだな。
廟の壁にはアラベスク模様が彫り込まれ、世界中から集められた宝石や鉱石を嵌め込んだ象嵌細工があしらわれています。
引きの構図で見るタージ・マハルも美しいですが、ミクロな視点で見るタージ・マハルも美しい。少々飽きがちな建造物の見学も、色んな視点で見ると案外楽しめます。
そんなこんなでタージ・マハル制覇
タージ・マハルの両サイドには、モスクと迎賓館(ほぼ同じような建物)があります。タージ・マハルと比較すると霞んでしまいますが、これもまぁ立派!
タージ・マハルから見る庭園。庭園は4分割され、4本の水路が走っています。イスラムでは4は神聖な数字とされており、それに由来しているんだそうな。
もう書くの疲れてきたので、そろそろ終わりにします。タージ・マハルは訪れておいて損はないスポットだと思います。ぜひ、皇帝から愛妃への半端ない愛を感じてみて下さい。
<つづく>
(この記事は2018年2月のインド旅ブログです)
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