オーストラリアを貫くスチュアート・ハイウェイと野生のエミュー

旅の随筆
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12/29 オーストラリア縦断旅5日目

世界中の荒くれ者や走り屋、放浪野郎が一度は憧れる聖地、スチュアート・ハイウェイ。

SAORI
SAORI

多分ね…

オーストラリアらしい風景と言って思い浮かべるのは、褐色の大地をひたすら真っ直ぐな道路が貫く風景という方も多いと思いますが、まさにその「THE・オーストラリア」な風景が見られるのがここ、スチュアート・ハイウェイなのです。

 

スチュアート・ハイウェイは、ノーザンテリトリー準州のダーウィンと南オーストラリア州のポートオーガスタを結ぶ全長2,834kmの国道。スチュアート・ハイウェイが通っている場所のほとんどが砂漠地帯で、町と町の距離は非常に離れています。

南から出発し北上していくと、まずはこのように低木と草が生い茂った草原が道路の両側に広がります。

SAORI
SAORI

いつカンガルーが飛び出してくるか分かんねえ

と最初はビクビクしていましたが、昼間は一度もカンガルーに遭遇しませんでした。
(道端に轢かれたカンガルーの死体は沢山横たわっていましたが)

 

ずんずん走ると、草原の土が赤茶色になっていき。道路も心なしか赤茶色になります。

気持ちいい程に、道路以外なにもありません。ガードレールもなければ信号もない。ここで道に迷ったら奇跡というか、逆になんらかの才能が開花したと言わざるを得ません。

 

こめっち
こめっち

ラリアっぺぇー!

SAORI
SAORI

ラリアっぺぇー!

おっくん
おっくん

・・・(読書)

相変わらず後部座席(おっくん)だけ、自宅のリビングみたいになってます。いいです、後部座席は放っておいて車の前方だけで盛り上がりますから。

 

さて、そんな何もないスチュアート・ハイウェイに、突如出現したのは…

SAORI
SAORI

あれ!?おうだんほd

バビュンッ!!!

横断歩道らしきものを確認する間もなく、秒で通りすぎました。

 

SAORI
SAORI

ちょ!こめっち!

こめっち
こめっち

え、まさかの~!?

SAORI
SAORI

そのまさかです、戻って!

通りすぎた横断歩道らしきものをもう一度確認するために戻ります。何事も確認は大事ですからね!

「Is this a pen?」
「適量って何グラム?」
「私はあなたの何なの?」

ほらね、こんなにも世の中には確認すべき事項が転がっています。

「Is this a pen?」に関しては「それ以外に何だと思ってるんだ!」と逆ギレすれば解決。
「適量って何グラム?」に関しては「もこみちを見習え、怯えるな!」と励ませば解決。
「私はあなたの何なの?」に関しては「考えるな、感じろ!」とか言っておけば解決。

という事で、さっきのが横断歩道なのかどうか確認しましょう。

 

SAORI
SAORI

うん、やっぱり横断歩道っぽい!

一体何が横断するんだろう?ここを野良カンガルーや家畜たちが横断してくれるならば、ドライバーとしては接触事故が減り非常に助かります。でもそんなわけない。あいつら、本能のままに「俺、今渡りたいんだ」ってところでピョンピョン横断するからな。

結局良く分からなかったけれど、スチュアート・ハイウェイには横断歩道のようなものがありました。(ここ一ヶ所だけ)

 

ちなみにスチュアート・ハイウェイという名称は、ヨーロッパ人として初めてオーストラリア縦断をした探検家、ジョン・マクドゥオール・スチュアートの名にちなんで付けられたそうです。

もし私が最初に縦断していたら、サオリ・ハイウェイになっていたのか。くっ、前世でやっておけば良かった…!!!

 

ついに低木もなくなり、赤茶色の大地に文字通り「毛が生えた程度」の荒野になりました。私、こういう景色が本当に好き。南米のRUTA40(国道40号線)もそうだったけど、地球を感じられる場所が好きです。

 

そうそう、こういう荒野を見ると思い出すのがね、「Into the Wild(イントゥ・ザ・ワイルド)」という映画。(原作は、青年が本当の自由を求めてアラスカの荒野へ旅立ち、放浪の末に亡くなったという実際にあった事件を描いた「荒野へ」というノンフィクション作品)

過去に何度か紹介しているかもしれませんが、私には結構衝撃の映画でした。それこそ10代後半~20代前半なんて、無駄に尖っていて、いつも何かに抗っていて、かと思えばすごく感傷的で、「自由になりたい」とやたら自由への憧ればかり募らせていたけれど。

何をもって『自由』とするか、その定義は難しいのですが、「Into the Wild」を観たらそれまで抱いていた『何にも縛られず、何からも干渉されず、自分の力で自分の好きに生きる』みたいな手放しの自由への憧れは無くなりました。

ああ、人間は何かに縛られて、ちょっぴり不自由なくらいがちょうどいい。少なくとも私はそうだ、何とも繋がらず、何にも縛られないだなんて恐ろしくて耐えられない。ってね。

 

そして「Into the Wild」の主人公の青年の残した言葉は、今、改めて共感できます。

《Happiness is only real when shared.》

– 幸福が現実となるのは、誰かと分かち合った時だ –

 

その場で分かち合うだけでなくて、思い出話だったり写真の共有だったり、もう何でもいいんだけど。別にひとりだと幸せになれないとか、ひとりで感じた幸福は現実じゃないという訳でなくて。誰かと分かち合った時に、自分の中で生まれた幸福をより実感できるというか、形を帯びてよりリアルに存在するものになるというか。そんな感覚。

 

はい、だいぶ話が脱線しましたね。気になる方は「Into the Wild」観てみて下さい。無謀な旅を夢見がちな青少年へ、現実を叩きつける為にこの映画を利用するのもオススメです。(おい)

 

だんだんと日が暮れてきて、目的地(クーバーペディ)が近付いてきたその時。

 

SAORI
SAORI

あ!!!エミュー!!!

こめっち
こめっち

え!?マジで!?

SAORI
SAORI

いた!野生のエミューいた!!!車停めて!!!

車、急停車。上の写真にエミュー写っているのですが、分かります?

 

ここです。黄色の丸で囲ったところ。もう少し拡大してみましょう。

 

ほら!エミュー!!!
え?分からないですって?

 

これだよ、これ!
まだ分からないって?

 

SAORI
SAORI

これでどうだ!!!

なんだか『UMA(未確認動物)を捉えた写真』みたいな画質になりましたが、これがスマホの限界です。そしてこれはUMAでも何でもなく、野生のエミューです。確認済動物です。

さっき確認は大事って言ったでしょう?こういう事です。

 

野生のエミューが見れて大満足!

動物が好きというより、彼らは彼らで現実に存在していて、生きているというのを見るのが好き。私が通勤電車に乗っている間も、仕事をしている間も、飲み会でコーラ飲んでいる間も、こたつでゴロゴロしている間も。地球上で野生動物は彼らの生活を送っているというのを、こうして自分の目で確認するのが好き。

さっき確認は大事って言ったでしょう?こういう事です。(2度目)

 

太陽が地平線に近付いてきたところで、ようやくクーバーペディに到着しました。これ、夜の8時くらいです。

SAORI
SAORI

ちなみに今夜の宿、取ってないよ

くっ…!町についたはいいが、宿探しをしなければ…!
年末の夜という非常に不利な状況の中、次回クーバーペディの宿泊場所探しです。

 

<つづく>

 

(この記事は2018年12月~2019年1月のオーストラリア縦断旅ブログです)

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