2018.02.16(fri)インド旅行6日目
さあ!インド旅行も最終日!
昨日は丸一日ガイド(チケット代ばかりせびって、ろくに案内しない奴)付きでアグラを観光しましたが、本日はドライバーのみ手配。アグラからデリーへ戻って帰国です。
途中、アグラ郊外にある世界遺産「ファテープル・シークリー」に寄ってみた話。
世界遺産「ファテープル・シークリー」ってどんなところ?
アグラから南西に約40kmのところにある「ファテープル・シークリー」は、ムガル帝国の第3代皇帝アクバルによって建設された都市。
当時世継ぎに恵まれなかったアクバル皇帝が、この地に住む預言者サリーム・チシュティーを訪ねたのが事の始まり。サリームの『近いうちに男児を授かる』という予言通り、息子(のちのジャハンギール)が誕生したことから、アクバル皇帝はこの地に遷都します。
都名の「ファテープル・シークリー」とは“勝利の都”という意味で、当時アクバル皇帝がグジャラート地方の制圧に成功したことから名付けられました。
しかしファテープル・シークリーはたった14年で放棄されてしまったのです。放棄された理由は水不足や猛暑のせい等諸説ありますが、定かではありません。
高さ54m!大迫力のブランド門
ファテープル・シークリーはモスク地区と宮廷地区があり、その敷地は広大。まずはモスク地区の入口の門「シャヒー・ダルワーザ」から入ります。この門の前でみんな、靴を脱いで入るよ!
本日はガイド無しなので、あとでオフィシャルガイドでもお願いしようかね~と話していたところ、ひとりの青年が声を掛けてきました。普段なら無視するところですが、勝手に始めた彼の案内は思わず聞き入ってしまうくらい上手。旅行代理店を通して雇った昨日のガイドの案内とは、月とスッポン。
ガイド料の言い値も別に高くないし、このまま案内してもらおうか
という結論に至った私たちは、そのまま彼と一緒にモスク地区からまわることに。
まずはグジャラート制圧を記念したブランド門。高さは54mという大迫力なのですが、一眼レフで撮るのを面倒臭がった私はスマホで撮影。広角レンズでも何でもないので、門の全容が写らない。それくらいデカい。
高さ54mと言われてもピンと来ないですって?パリの凱旋門が高さ50mなんで、大体あんな感じです。もしくはSHIBUYA109が高さ50mらしいので、大体あんな感じです。どちらにせよ、大きいよね!
ブランド門の扉は、このように馬蹄が打ち付けられたデザインに。これは幸運のために蹄鉄を釘打ちする習慣にちなんだものらしく、グッドラックという意味なのだとか。
西洋ではラッキーアイテムとして定番なんですってね。
上向きの馬蹄(Uの字のようになっている)が多いのも、幸運をキャッチして溜め込むという意味があると、案内してくれた青年が言っていました。ちなみに下向きは魔除けなどシールドの意味があるそうです。
イスラムカーン廟
つづいてこちら。
手前の建物はイスラムカーン廟。奥の白い建物はサリーム・チシュティー廟です。まずは手前のイスラムカーン廟に入ってみましょう。
イスラム・カーンはサリーム・チシュティーの孫。イスラムカーン廟にはイスラム・カーンや他の人のお墓がありました。
ででで。案内してくれた青年が、この透かし彫りを利用してオシャレな写真が撮れるんだよ!と教えてくれました。
昨日のガイドと今日の青年、どっちがオシャレ写真か判定してやるぜ!
青年にスマホを託し、言われるがままの立ち位置にスタンバイ。そして撮れた写真がコチラ。
わぁ、星の中にわたしとブランド門がいるぅ
ぶっちゃけ私のセンスだとこれがオシャレなのか何なのかは良く分からないけれど、昨日のガイドより案内内容に信用があるという点で青年の勝ち。
世の中つまるところ、こういうことだと思う。
人間の判断なんて、感情に左右されるし不合理なもんですな。
サリーム・チシュティー廟
次はイスラムカーン廟のお隣にあるサリーム・チシュティー廟。ここだけは真っ白な大理石で建てられています。
ここに入るには、入口で渡されるプラスチックのザルみたいな帽子を被る必要があります。私はストールを被って入りました。自前の帽子でももちろんOKだと思います。
サリーム・チシュティー廟の透かし彫りは物凄く繊細で、
建物の中から見るとこんな感じ。網戸か!綺麗な網戸か!
もちろん全部、白大理石。
すごいなぁ。
職人さんって、すごいなぁ。
さてさて、サリーム・チシュティー廟はその名の通り、預言者サリームさんのお墓。建物の中央にサリームさんのお墓(多分)を安置している部屋があります。
入口にいた人に鳥の羽みたいなもので頭をファサファサされました。なんの儀式だい。
部屋の中にはそれはそれは、煌びやかなサリームさんのお墓(多分)が。
近くで見てみると、色んな色に輝いている!なんだろコレ。中尊寺で見た夜光貝みたいな素材かな?
部屋の壁の透かし彫りには赤と黄色の糸が無数結び付けられており、軽くホラーですが。
アクバル皇帝の逸話(サリームの予言で子宝に恵まれた)にあやかり、子宝祈願の場所として沢山の人が祈りにくるのだそう。そしてこうやって糸を結ぶんだそうな。
肝心のモスクは省きます。いや、他のところで散々見たしね(書くのが面倒なだけ)。
旅人のオアシスと象の記念碑
モスクを出て旧市街の方へ向かいます。
この立派な門はね、
外側から見ると、こんな感じで2頭の象がいるんです。と言っても、象の頭部は壊れてしまっていて、象だか何だか分からないんですけどね。
ゲートを抜けると、正面に塔のようなものが見えます。
そして左手にあるのは
キャラバンサライと呼ばれる、商人の一団など旅人のための仮宿。
先程見えた塔はヒラン・ミナールという塔で、とげとげしているのは象牙の形をした石の装飾。斬新なデザインですね。
キャラバンサライの一室からも、こんな感じで見えます。ヒラン・ミナールはアクバル皇帝のお気に入りの象の記念碑として建てられたと考えられていましたが、マイルポスト(マイルストーン)の起点として使われたという説もあります。謎だねぇ。
キャラバンサライ、廃墟好きにはけっこうオススメのスポットかも。なんとなく、尾去沢鉱山や別子銅山を彷彿させます。
と、久々に廃墟に浸っていたところで
さおちゃん、ヤバイ!
どうした?
もう帰る時間だ!
うっそ!もう!?
そう、観光のタイムリミットです。これから車でデリーに戻って夜の帰国便に乗らねばならない為、これ以上長居したら明日仕事休まないといけなくなる。
それはダメです。ここまで築き上げた信用が!信用が無いと長期休暇を快諾してもらえないからね。
ということでファテープル・シークリー、まさかの宮廷地区を見ずに去る。
不完全燃焼でしたが、ファテープル・シークリー、とっても楽しかったです。たった14年間だけでこんな立派な都を放棄してしまうアクバル皇帝も凄いと思うけど。
こちとら、30代後半になったのに家の一軒も建ててないわ
ファテープル・シークリーも観光するなら2~3時間はほしいかな。皆さんもアグラついでにぜひ訪れてみて下さいね!
(この記事は2018年2月のインド旅ブログです)
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