いよいよアフリカ4ヶ国周遊旅が始動した訳ですが、あーでもないこーでもないと旅程を組み立てて行くのも旅の醍醐味のひとつ。どんなルートを辿るか、どんな交通手段を用いるか、どんな宿に泊まり、どんなアクティビティをするか。
可能性は無限大です。
ダーバンINか、マセルINか、ヨハネスブルグINか
今回の旅のハイライト“トゥゲラフォール(Tugela Falls)”は、南アフリカのこの辺りにあります。
Tugela Fallsに近い国際空港は、南アフリカのダーバンにあるキング・シャカ国際空港、もしくはレソトの首都マセルにあるモショエショエ1世国際空港。そして日本からのアクセスを考えると、ヨハネスブルグINが何かと便利で航空券代も断然安い。候補としてはこの3空港に絞られました。
ただ、ヨハネスブルグは行きたくない。
全ての国に行きたいとひそかに思ってはいるものの、私は旅人能力が飛びぬけて高いわけでもないし、度胸があるわけでも、超人的なフィジカルや明晰な頭脳を持っているわけでもない。危険な場所は避けて、極力安全に過ごしたい。
なので「世界一治安が悪い」と言われるヨハネスブルグの街は行きたくない。そうずっと思っていたのに、ここにきて利便性の高いヨハネスブルグINの可能性が浮上してきました。
「ヨハネスブルグで強盗に遭う確率は150%」という噂
ではヨハネスブルグの治安はどんな感じなのでしょうか。まずは身近な人間に聞いてみましょう。
俺は世界一周の時、ケープタウンしか行かなかったけど、
旅人の間では「ヨハネスブルグで強盗に遭う確率は150%」って言われてたよ
強盗に遭う確率が、150%
確率が100%を超えるという、数学的にあってはならない状況。あの戸愚呂弟ですら超えられなかった100%の壁を、軽々と超えてしまうヨハネスブルグ。これはもう人間界ではなく魔界です。
(ちなみに150%とは1人1回は強盗に遭って、さらに2回目遭う人もいるという意味)
ネット上で有名なガイドライン&都市伝説
強盗150%という話だけでも「絶対行かない」と思うのに、ネット上には様々な伝説が転がっています。こちらは有名なヨハネスブルグのガイドライン。
・軍人上がりの8人なら大丈夫だろうと思っていたら同じような体格の20人に襲われた
・ユースから徒歩1分の路上で白人が頭から血を流して倒れていた
・足元がぐにゃりとしたのでござをめくってみると死体が転がっていた
・車で旅行者に突っ込んで、倒れたというか轢いた後から荷物とかを強奪する
・宿が強盗に襲撃され、女も「男も」全員レイプされた
・タクシーからショッピングセンターまでの10mの間に強盗に襲われた
・女性の1/3がレイプ経験者。しかも処女交配がHIVを治すという都市伝説から「赤子ほど危ない」
・「そんな危険なわけがない」といって出て行った旅行者が5分後血まみれで戻ってきた
・「何も持たなければ襲われるわけがない」と手ぶらで出て行った旅行者が靴と服を盗まれ下着で戻ってきた
・中心駅から半径200mは強盗にあう確率が150%。一度襲われてまた襲われる確率が50%の意味
・ヨハネスブルグにおける殺人事件による死亡者は1日平均120人、うち約20人が外国人旅行者
・妊婦が病院に駆け込んだら、なぜか看護婦に滅多刺しにされた
うーん、すごい。ネタかな?と思うくらい凄まじい内容です。ただまったくの作り話かというとそうでもなくて、事実を誇張したものが多い気がします。
ヨハネスブルグ市民はどうやって日々を生き抜いているのだろう。サバイバル精神すご。
「地球の歩き方」は歩かせてくれるのか
ではここで旅人の読み物「地球の歩き方」の見解を伺いましょう。「地球の歩き方」はケニア・ナイロビの街を『歩くな』と言ってみたり、地球を歩かせることを強要しないガイドブックです。
今回は歩かせてくれるかな~?
南部アフリカの都市では強盗に遭う可能性は非常に高く、滞在中は強盗に遭うことを前提に行動してほしい
地球の歩き方2018-19 南アフリカ P403
かつて、あのシャア・アズナブルは言いました。
『戦いとはいつも二手三手先を考えて行うものだ』
そう。もはや『強盗に遭わないためには』という初手を説いても意味がない。『どうせお前ら、歩くんだろ?歩いたら強盗に遭うからさ、まぁよろしくやってくれよ』と、半ば投げやりともとれるアドバイス。強盗に遭う前提の行動って何だよ。
考え抜いた末に、SAORIはひとつの妙案を思い付きました。
そうだ、ポチ袋に現金を入れて用意しておこう。
合法的に金をせびる正月イベント「お年玉」。あれの見ず知らず暴力的違法バージョンが強盗です。つまり、寄ってきた強盗にすかさず
大きくなったね~はい、現金(頭なでなで)
と、甥っ子の成長を喜ぶ叔母さん風情を見せつけてみては如何か。うんうん。
確実にブッ殺されます。
死にたくないので、ポチ袋ではなく素直に財布を差し出そうと思います。
そして「地球の歩き方」はこう続けます。
東南アジアのトランプ詐欺や睡眠薬強盗のように手の込んだ犯罪は少ない。例えばナイフや拳銃を突きつけて脅す、後ろから突然襲い掛かり羽交い締めにする、ツーリスト・アタッカー(犯人が旅行者にすごい勢いでタックルし、倒れてひるんだ隙にカメラや財布を奪う手口)などと、とにかく頭を使わず体を使う
地球の歩き方2018-19 南アフリカ P403
なるほど、清々しいほどストレートな戦法ですね。ところでこの状況、どこかで見たことがありませんか?もう一度上の文章を読んでみましょう。
東南アジアのように手の込んだ犯罪は少なく…
例えばナイフをレロォ~
引用:北斗の拳 拳王軍ザコたちの挽歌1巻 P37
銃を突きつけて脅し、
引用:北斗の拳 拳王軍ザコたちの挽歌1巻 P103
後ろから襲い掛かり、奪う
引用:北斗の拳 拳王軍ザコたちの挽歌1巻 P15
とにかく頭を使わず
引用:北斗の拳 拳王軍ザコたちの挽歌1巻 P22
体を使う
引用:北斗の拳 拳王軍ザコたちの挽歌1巻 P17
完全に一致。
ヨハネスブルグの世界線は、北斗の拳と完全に一致しました。やばいよー199X年じゃなくてもう202X年なのにーひでぶっ!!!
実際治安はどうなのか?外務省のデータ
ここまでは噂話や都市伝説などをお伝えしましたが、事実が知りたい。ということで、外務省のデータを拝見しました。
※ここは最新のデータでお伝えしますね
南アフリカでは2019年4月~2020年3月の1年間で、殺人事件が21,325件、性犯罪が53,293件、凶悪強盗が143,990件発生しています。
これは1日あたり、約58件の殺人事件と約146件の性犯罪、約395件の凶悪強盗が発生している計算です。毎日が犯罪まみれです。生きていける気がしません。完全にひでぶっ!!です。
ちなみに日本で2020年の1年間に認知された殺人事件は929件。1日あたり約2.5件。日本の人口がざっくり1億2500万人なのに対し、南アフリカの人口は約5930万人。人口は半分位なのに、日本の23倍もの殺人事件が起こっているとか…ひでぶっ。
その他南アフリカの詳細データはリンク先の資料をご覧ひでぶっ。
▶ 2021年4月版 南アフリカ滞在安全の手引き(在南アフリカ共和国日本国大使館)
カージャックに脅える
そして近年増えているのが、自動車乗車中の強盗被害。これは日本人旅行者も遭いやすい犯罪です。私たちも仮にヨハネスブルグINしたら、トゥゲラフォールのある国立公園まではレンタカーで移動することになりそう。
自動車犯罪は場所や時間帯を問わず発生するようで、拳銃所持の犯人がカージャックしてきたり、高速道路出入口や赤信号で一時停止したところを窓ガラスを割って荷物を窃盗したりするようです。
何か…何か対処法はないのか…
色々調べてみるも、対処法はシンプルにコレでした。
「赤信号で止まらないように運転する」
マジかよ…そんなん…皇族にでも生まれないと無理だよ…。
おっくん、レンタカーなんだけど、
赤信号で止まったら襲われます
ほげぇ~~
ほげぇ~~
ほげぇ~~。
何とかヨハネスブルグIN、レンタカー移動を避けられないものか。もう少し色々調べてみたいと思います!本日は以上!
<ひでぶっ>
(この記事は2020年3月の南部アフリカ4ヶ国周遊旅ブログです)
コメント
ほげー。
数字を出してくれると怖さに冷たさが加わります
エピソードがあるということは、生きて帰ってくる人間もたまにはいるという意味ではハンター試験みたいですね
追伸、今日はぼくも遠出して無印に行きました
ほげー!
え、どこに無印あるの?佐久平?
今月、1泊で軽井沢帰るよー。お盆も帰ろうと思っている!