「クレイジープディング」と呼ばれた男

旅の随筆
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2020.03.07 アフリカ南部4ヶ国旅 Day2

前回のあらすじ>

「君たちの荷物の積み替えが間に合わないから」とカタール航空に搭乗拒否された私たち。同じく搭乗拒否された南アフリカ人男性がブチ切れ、「俺は一番早く着く便で、何が何でもヨハネスブルグに帰る!」と前のめり。なんだか面白そうなので私たちも男性に便乗し、一番早くヨハネスブルグに着く便に乗ることに。

南ア男性
南ア男性

一番早くヨハネスブルグに着く便で帰る!

と意気込む南アフリカ人男性(通称アニキ)。インフォメーションカウンターで振り替えのフライト案内や手配をしてくれるのかと問うと、

スタッフ
スタッフ

ここでは何もできないので、ご自分でカタール航空のカウンターに行って手続きして下さい

と言われ、更にブチ切れるアニキ。ブチ切れながらもカタール航空のカウンターの場所を聞き、駆け出すアニキ。そんなアニキについていく私たち。時は一刻を争います。

カタール航空のカウンターに到着し、事情を説明するアニキ。私たちも隣のカウンターで事情を説明し「とにかく早い便に乗りたい」と告げます。

すると、アニキの対応をしていたスタッフはすんなりと一番早く着く経路を案内し始めたのに対し、私たちの対応をしているスタッフはちんたらちんたら、そんな便はないだのなんだの、ブツブツ言って全然案内してくれません。

ここで、今度はおっくんがキレました。

おっくん
おっくん

お前じゃ話にならねぇ、他のスタッフ呼んで来い

SAORI
SAORI

ひぃぃぃぃい!!!

穏やかな顔して世界各国でキレるおっくん。キレるアニキとキレるおっくんに挟まれるSAORI。ドーハはブチ切れ祭りですワッショイ!

キレると一口に言っても怒り方は人それぞれで、とにかく声を荒げる人、謝罪や土下座を執拗に要求する人などいますが、おっくんは本気でキレると『淡々と相手を理詰めし、最終的に原因と対策を文書で提出させる』というじわじわ精神を蝕むタイプ。簡単に言うと面倒くさい男です。

SAORI
SAORI

おおおおお落ち着け!

SAORI
SAORI

世界平和!世界平和だよおぉお(地団駄)

お前が落ち着け。

なんとしてもカタール航空に始末書を提出させる事態は避けなければと、空港カウンターで世界の平和を叫ぶSAORI。皆さん、これが錯乱ってやつです。ちなみに常日頃から割と本気で世界は平和であってほしいと願っている私ですが、その根源は「私が全世界を安全に旅行するため」という私利私欲なので尊敬には値しません。

そうこうしているうちに、隣のカウンターのアニキは航空券を入手。私たちも急がねば!新しくやってきたスタッフに対しいろいろ説明するのも面倒なので、

おっくん
おっくん

隣のカウンターの人(アニキ)と同じ便にしてください

と言い、振替チケットを発行してもらいました。

チケットを確認すると、どうやら一度ケニア・ナイロビで乗り継ぎをする様子。ドーハ→ナイロビ→ヨハネスブルグというルートです。ナイロビ行きは8時30分発のカタール航空。結構ギリギリの搭乗でしたが、止められることなく無事飛行機に乗せてもらえました。荷物もきちんと積み替えできたようです。

SAORI
SAORI

いやー!乗れてよかった!

おっくん
おっくん

これで今日中にヨハネスブルグ着くね!

ナイロビ行きの便は乗客が少なく、半分以上が空席でした。そんなガラガラの機内に遅れてやってきたのが、我らのアニキ。

SAORI
SAORI

あ!アニキだ!

アニキ
アニキ

Hi!お互い乗れて良かったな!

アニキも私たちに気付いたようで、軽く挨拶をします。

挨拶をした後、座席を探すアニキ。するとアニキがどんどん近付いてきて、私の隣の席に座りました。飛行機の座席配列は2-4-2で機内はガラガラなのに、なぜか中央4席の部分にムギュッと座る私たち。

SAORI
SAORI

(こんなに機内空いてるのに…)

アニキ
アニキ

(なんであえてこの席なんだ…?)

アニキは結構体格がいいので、お互い口には出さないものの「狭いな」と思っているのが分かりました。しばらくしてもう乗客がこないことを確認すると、アニキは空席へと去っていきました。さよならアニキ、元気で。

では!気を取り直してまずはナイロビへ向かいましょう。

朝靄に包まれるドーハ、素敵。

ドーハからナイロビへの所要時間は約5時間半。なので機内食(朝食的位置付け)とスナックが出ます。もう食べてばかりです。

カタール航空の機内食は3種類から選べて、私は「スクランブルエッグ&チキンソテー」にしました。まぁ普通の朝食的なやつです。

おっくんは「Honey and oats pudding」を頼んでいました。

朝からこんな甘ったるいもの、良く食べられるなぁ~と横目で見ていると。

おっくん
おっくん

やばい!このプディング、美味しすぎる!!!

おっくん
おっくん

こんなに美味い機内食、食べたことない!

おっくん
おっくん

最高や…このプディング、最高や!!!

と、カタール航空のプディングを絶賛。カタール航空のカウンターでキレたおっくん、プディングひとつで超絶ご機嫌です。つまり、世界を平和にするのは祈りでも叫びでも何でもなく“甘味”ということです。

甘味は世界を平和にする。

おっくん
おっくん

はぁ…もうひとつ余ってないかなぁ…プディング…

おっくん
おっくん

また食べたいな…プディング…

おっくん
おっくん

帰りもこの路線、乗りたいな…プディング…

いや、乗らないから。ナイロビまじで用事ないから。

あまりにおっくんがプディングプディング言うので、

SAORI
SAORI

今日からおっくんを“クレイジープディング”と呼びます

命名:クレイジープディング

皆さま。今後、おっくんに会った際はぜひ「クレイジープディング」と呼んであげてください。多分、カタール航空のプディングの美味しさを、乏しい語彙力で語ってくれると思います。

あとカタール航空に乗った方。もし「Honey and oats pudding」を機内食メニューで見かけたら、どの路線か教えてください。乗りに行きます。

<つづく>

(この記事は2020年3月の南部アフリカ4ヶ国周遊旅ブログです)

コメント

  1. 夜更か紳士 より:

    プディングに夢中とは、おじゃる丸みたいで可愛らしいですね
    美味しそうです

    海外?ドラマファンとしては今後のピンチでアニキとの再会展開に期待

    • saorigraph より:

      そうなんです、プディングに夢中なんです。紳士は機内食は好きですか?

      そんなドラマティックな再会があったら、もう映画化だよ