2018.02.13(tue)インド旅行3日目
前回はマニカルニカー・ガートの火葬場を見て、あれやこれやと思考を巡らせました。
そんなマニカルニカー・ガート付近の路地をあっちこっち行くと、私のイチオシの神様がいらっしゃいましたよ。じゃじゃーん!
ガネーシャです!
ガネーシャについてはこちらの記事で軽く触れていましたが、今日はもう少し詳しくお話したいと思います。
ガネーシャはどんな神様?
4本の腕をもつ人間の体に、片方の牙が折れた象の頭という特徴的な外見のガネーシャは、インドでとても人気のある神様。あらゆる困難や障害を取り除くことから事業開始と商業・富の神様として信仰され、さらには智慧(ちえ)や学問の神様でもあります。
そんなガネーシャに対する一番の疑問。
「いったいなぜ頭が象になってしまったのか?」
ガネーシャの頭が象になってしまった理由には複数の神話がありますが、一番有力なものをご紹介しましょう。
パールヴァティーはガネーシャに「私がお風呂に入っている間は誰も通してはダメよ」と言いつけ沐浴に。ガネーシャが見張りをしている時に父・シヴァ神が帰還。お互いを父・息子だとは知らない二人。ガネーシャは母親の言いつけを守り、シヴァを拒みました。するとシヴァ神、激おこ!ガネーシャの首を切り落として、遠くへ投げ捨ててしまったのです!
後にガネーシャが自分の息子だと知ったシヴァは、投げ捨てたガネーシャの頭を探しに西へ向かって旅に出るものの見つけることができず。そこで旅の最初に出会った象の首を切り落として持ち帰り、ガネーシャの頭として取り付けて復活させました。
– 完 –
いやちょっと待って。
この神話に対して私が「ふむ、なるほど理解」と大人しく引き下がると思いましたか?
答えは否!
まずガネーシャはパールヴァティーの垢から出来た子供とのことですが、こんな感じの話、どこかで読んだことあるな~と思った方はいませんでしょうか?そう、小学生の頃、国語の教科書に載っていた『こんび太郎※』です。※『垢太郎』『ちからたろう』とも言われています
おじいさんおばあさんの垢から作った人形が命を持ち、化け物を退治して、助けた娘と結婚し幸せに暮らす話。これは100歩譲って、おじいさんとおばあさんの垢から作っているから『自分たちの子供』と言われて『はい、そうですね』となるとして。
ガネーシャはパールヴァティーの垢オンリー。パールヴァティー100%です。
もし私がシヴァ神で久々に家に帰り「あんたがさっき首を切り落としたのは、私たちの息子よ!」とパールヴァティーに泣かれても、
いや、あれ、キミの垢…
と言ってしまいそうです。それを自分の息子と認識したシヴァ神は、ある意味包容力があるのかな。ただ「お前は誰だ!ムキー!家に入れろー!」と初見のガネーシャの首をいきなり切ってしまうのはちょっと短気すぎません?シヴァだから
まぁ彼、破壊神だしね☆
で済ませられているけれど、そうじゃなきゃ完全に警察沙汰ですよ。
そんでもって自分がぶん投げたガネーシャの頭を探しに行くも、全然見付けられなかったシヴァ神は、
ガネーシャの頭ないなー
あ、象だ
ザシュッ(象の首を切る)
はい、これが新しいガネーシャの頭です
じゃ ね え よ。
なにサラッと象狩りして帰宅してるのシヴァ神。さらに象の頭をくっつけたら復活したガネーシャ。それでOKなパールヴァティー。もうとんでもない家族です。どこの国でも、神様という存在は人知を遥かに超えているのですね。
あ、即席で描いたシヴァ神、せっかくなので載せておきます。
待ち受けとかにしてくれていいですよ。
ガネーシャグッズを買う
そんなこんなで象の頭になったガネーシャ。事業開始・富・商業・智慧・学問の神様という、ヨダレが出るくらい有難い存在なので、ここはひとつ、私もそのご利益にあずかりたいと思います!
とりあえず偶像を崇拝するかな
と、ガネーシャの人形(置き物)を探しに適当に歩き回ります。ちょうど置き物を沢山売っているお店がありましたが、店頭に並んでいるのは大きいサイズの物のみ。
もっと小さいのが欲しい
と言うと、「店の奥の倉庫にいっぱいあるから、靴を脱いで上がって好きなの選びな!」と店のおじさんに促される。倉庫には店頭には置いていない大小さまざまなサイズのガネーシャの置き物があって、私の希望する小さいサイズの人形もありました。
ただ、5個セットで梱包・販売されている。
私1人でガネーシャ5体もいらない。
もらって困るお土産ランキングでも上位に位置する置き物(人形)を、友人へ買っていくのも気が乗らない。余程頼まれでもしない限り、形として残るものはお土産にしたくない。
交渉の末、5個セットだったガネーシャのうち2個だけ購入しました。いえい!5cmくらいの小さなガネーシャは、現在私の部屋の棚に飾られています。
ガネーシャを飾って以来、巨額の富が転がり込んできたり、急に頭が良くなったりはしていませんが、私は元気に過ごしています。- 完 –
色々なトラブルに気を付けよう
マニカルニカー・ガートは写真撮影がNGということもあり、色々とトラブルが多いエリア。写真を撮ってもいいよと言ってきて最後にお金を要求したり、勝手にガイドをしてお金を要求したり、薪代としてお金を要求したり、とにかく金・金・金。(もしくは何か買ってくれ)
そんな話を事前に聞いていましたが、女ふたりという格好の的である我々に誰も声を掛けてこず。なんだろう、今日が『マハー・シヴァラートリー(1年で最も神聖な夜)』だからかな?シヴァ神の信者はこの日に修行することで、欲望を滅して解脱へと至る力を得るんですもんね!お金とかいう欲にまみれちゃダメだもんね!
おかげでゆっくり火葬を見れたし、無事ガネーシャの人形も買えました。
じゃ、そろそろお昼にしよっか!
とマニカルニカー・ガートを後にします。
すごい人混みだね~
インド人がいっぱいだね~
まぁ、インドだからね。ガンジス川沿いの歩道はものすごく混み合っていて、まるで朝の通勤電車のよう!そんなインド人まみれの歩道を、人をかき分けて進んでいきます。
と、その時。
人混みの中から1本の腕が真っ直ぐに私を目掛けて伸びてきました。そして次の瞬間。
ズンッ・・・!!!
突然胸骨に走る衝撃。それはさながら、幽遊白書の暗黒武術会決勝。
引用:幽遊白書11巻
ヒフで…止まってる…?
ばかな、これ以上ささらん!
戸愚呂兄が桑原の心臓を突き刺そうとしたものの、怒りにより霊気が高まった桑原肉体の皮膚で止まってしまったシーンのようでした。
つまり現実ではどういう状況かと言うと、『人混みに紛れて観光客の胸を揉んでやろうと腕を伸ばしたけれど、思った以上に胸がなくて(そして位置的にもド真ん中を狙いすぎて)胸骨にモロに衝撃が走った』という事です。戸愚呂兄にインド人の気持ちを代弁してもらうと、
ホネで…止まってる…?
ばかな、これ以上揉めん!
みたいな感じでしょうか。多分インド人もびっくりしたと思います。
ザマァ!!!!
ほらほら、今日はマハー・シヴァラートリーなのに、この聖なるガンジス川で欲にまみれた行動するからですよプププ。シヴァ神に破壊されろ、そして悔い改めよ!!!(異種混合)
皆様も人混みには気をつけてくださいね。
はい、といった感じで本日の特別出演は戸愚呂兄でした。おつ!
<つづく>
(この記事は2018年2月のインド旅ブログです)
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