2019.06.12(wed)モンゴル旅行3日目
朝、目が覚めると…
目覚めてすぐカーテンを開けると、すっかり太陽は昇っていて、大きな窓からコテージ内に暖かな陽が差し込んだ。
窓の外には、昨夜は暗くて見えなかった草原風景が広がっていて、思わず
いとうつくし!
と叫んでしまうほど。居ても立っても居られず、テラスに出てみた。
鳥のさえずりだけが聞こえる静かな朝。
これがモンゴルのポテンシャルか!
うおぉぉぉぉおお!
ずーっと広がるなだらかな草原と、それを囲むように遠くには少し霞んだ丘陵地。草原にいるポツポツとした点は何かと目を凝らすと、草を食んでいる家畜の群れ。なんだこれは。朝から最高だな。
ここでヨガやピラティスをしたら気持ちいいと思う。今後、以前のように自由に海外旅行できるようになったら、『モンゴルで草原ヨガ体験』とか『モンゴリアピラティス教室』とか、そんなツアーを組んでみてはいかがか。
ちなみに私はこの環境でヨガやティラピスをするでもなく、ただ朝の雄叫びを上げただけ。
コテージに戻り、朝のティータイム。おっくんはまだスヤスヤと眠っています。いつもは無駄に早起き&興奮した私に叩き起こされてかわいそうなので、今日は少し眠らせてあげようと思います。
目の前の素敵な風景を眺めながら温かい紅茶を飲む朝、プライスレス!
ここは日本か、な朝食
おっくんも起きたので、朝食会場へ。他の宿泊客の姿はなく、貸切状態。朝食は和定食かアメリカンブレックファーストか選べたので、和定食に。朝は米が食べたい。
出てきた和定食が、想像以上に完璧な和定食でビックリ。納豆、梅干し、鯖に卵焼き、味噌汁とご飯、お茶まで!
ここは日本か!!!
いえ、モンゴルです。
朝食の時も、窓の外には草原が広がっています。エニタイムエニウェア草原。そう、それがモンゴル。
水シャワーからの氷河期到来
今日の予定は何もありません。なので、コテージの丸見え風呂に入ることにしました。私は夜のうちにシャワーを浴びていたけれど、昨夜はホテルへの到着が遅くなってしまった関係でおっくんはシャワーを浴びておらず。
俺、先にシャワー浴びていい?
いいよー
コテージ内の注意書きに『シャワーとバスタブでお湯を同時に使わないで』との記載があったので、まずはおっくんのシャワーが終わるのを待ちます。
しばらくすると、バスローブを着たおっくんが「わぁぁぁぁあ!」と言ってシャワールームから出てきました。その姿を見てビックリ。
泡だらけじゃないか。
どうした!
お湯が…出ぇへん…
途中から?
うん、途中で水しか出なくなった…
あらまぁかわいそうに。洗面所でお湯の蛇口をひねってみるも、たしかに水しか出ない。一体どうしたことか。
泡だらけの頭のまま、お湯が出ないとフロントに電話するおっくん。
数分後、ホテルのスタッフが数名やってきて、黙々と水回りや給湯設備の点検を始めた。
その間も泡だらけの頭のまま放置されるおっくん。かれこれ10分以上この状態だ。
泡だらけでバスローブとか、変なの
と呑気にその様子を眺めていたSAORI。しかし、だんだんと不穏な空気が流れ始めた。もちろん、不穏な空気の発生源はおっくんだ。泡だらけの頭で飛び出してきた時とは、明らかに表情が違う。
やばい。これは、来る
今まで一緒に旅行したから(というか夫婦だから)分かる。この人は、理不尽なことに対して冷静に怒り、そして納得するまで説明を求めるのだ。それはもう、執拗なまでに。
これは本当に怖い。私が過去におっくんを怒らせた時の心情を例えると、それはまるで追込み漁。論理的に追い込み、逃げ場をなくし、完膚なきまでに叩きのめす。誰だ、女の武器は涙とか言った奴は。まったく効かないじゃないか。
逃げて…ホテルスタッフ、逃げて!
と私が思うと同時に、
ついに、おっくんがキレた。
すみません、僕はいつまで泡だらけのまま放置されるんですか?
コテージの中の温度が一気に下がった気がした。この瞬間SAORIは悟った。
このコテージは…滅する…
コテージは瞬時に氷河期に突入し、ホテルスタッフとSAORIの時間が止まった。かつて数万年にわたり北半球を支配していたケナガマンモスは、こうして絶滅し、永久凍土の中に眠ったのだ。
マンモスがどうとか言ってしまうくらい、おっくんがキレると私はテンパる。
お湯が出ないトラブルはいいとして
すぐに直らないなら、他のコテージに移動するとか何か提案はないんですか?
僕の姿、見えてます?
いつまで泡だらけのまま放置するんですか?
だよね。今まで水シャワーは安宿で死ぬほど浴びて旅してきた。ゆえに、湯が出ない程度では怒らない。高級リゾートホテルと謳っているにも関わらず、状況説明と解決策の提案がなく、ただただ放置されたことにキレたのだ。
追込み漁の記憶が蘇りテンパったSAORIは突然、
ご、ごごごごごめんなさいいいいいいい
なぜかスタッフに代わって謝罪。おっくんの怒りを鎮めるために、片っ端から供物を捧げたい気分だ。そうか、昔の人が神の怒りを鎮めるために生贄を捧げた時の気持ちがコレか!時を越えて古代人の気持ちを完全に理解。
そしておっくんは自らが放った提案通り、隣のコテージでシャワーを浴びることになった。おっくんが去ったコテージでは、マンモス(ホテルスタッフ)が猛スピードで作業。それをじっと見守るマンモス(SAORI)。みんな、マンモス必死。
そして平和(温かい風呂)が訪れた
お湯が出なくなってから約1時間後。なんとか無事、お湯が出るようになった。結局原因は分からなかったけれど、これで氷河期も去るだろう。絶景風呂、仕切り直しです!
はやく溜まらないかな~
わくわくわくわく。わくわくわくわく。
そして、ついに!
入浴。
ぷはぁ~!とける~!永久凍土、とける~!マンモスこんにちは~!
私はノンアルコーラーなので、スプライトを片手に入浴。スプライトうまー!
浴槽の中から見える景色はこんな感じ。草原が大画面で鑑賞できます。癒されるー!
お湯が出ないというトラブルと、神の逆鱗に触れて氷河期が到来しマンモスが一時絶滅しかけるアクシデントはあったものの、その後は絶景バスタイムと怠惰な時間を過ごすことができました。
<つづく>
(この記事は2019年6月のモンゴル旅行ブログです)
コメント
見渡す限りの草原、動画があると迫力が増して良いです。
モンゴル人のほとんどは、海を見ずに死ぬといいます。水は忌むべき対象で、風呂もキライと聞きました。だから無頓着。水の神様オコル。ワタシコワイ
そうなんだ!地理によって習慣とか考え方が違うの、面白いね!
紳士は水好きでしょ。海なし県なのにね。
あ、今年の年末、2年ぶりに帰省します~