2020.09.28
曽爾村に行くなら、曽爾村に宿泊しよう
ということで曽爾村の宿泊施設を検索してみると、『古民家の宿 木治屋』さんと『民宿2・7(ツーセブン)』さんが有力候補として浮上しました。
他にも『森のオーベルジュ 星咲~きらら~』さんとかもあったけれど、
多分、曽爾村を牛耳ってるのはこの2軒だ
ということで、『古民家の宿 木治屋』か『民宿2・7(ツーセブン)』の二択に。『森のオーベルジュ 星咲~きらら~』さんはまた別の機会に。情報だけ貼り付けておきますね。
▼森のオーベルジュ 星咲~きらら~▼
『古民家の宿 木治屋』に泊まってみた
悩みに悩んだ結果、宿泊したのは『古民家の宿 木治屋』さん。決め手は
どうやらこちらのご主人、曽爾村観光協会の会長らしいよ
という情報。権力に屈した瞬間です。
まぁそれは冗談で。ぼたん鍋が食べたかったし、古民家も見てみたかったし、宿のご主人が作ったという岩風呂にも入ってみたかったし。
なかなか趣のある建物ですね。
木治屋さんの建物は、明治12年に建てられた古民家。
予定していたチェックイン時間より早いですが、行ってみましょう。しかし玄関にあるインターホンを何度か押すも、人の気配がなく。
留守かしら?
インターホン壊れてるのかな?
と狼狽えていると、遠くからお婆さんの声で
そのインターホンを…押すんやで…
誰!?
木治屋の方かと思いきや、どうやら農作業帰りの近所の方だったらしく。木治屋の敷地に入ってきて我々にアドバイスをしてくれたものの、「さっきからインターホン押してるんですけどね、誰もいないんですよ」と言うと、静かに去っていきました。為す術なし!
結局電話をしたところ、無事宿の方が来て玄関を開けてくれました。もしチェックインの際誰もいなかったら、一度宿の電話番号に電話してみて下さい。
141年の時を越え!古民家の宿
中に入るとこんな感じ。おおー、まるでタイムスリップしたかのような設え!古い道具が色々飾られていて興味深い。
この建物は今年で141年なんや
ほほう。それは歴史ありますね。それよりなにより、私はご主人の格好が粋だなぁと釘付け。羽織袴(?)にハットを被ったご主人、めっちゃオシャレ。
※木治屋さんのブログにご主人の写真が載ってました。ご覧ください。
そしてふと目に留まったのがPayPayのQRコード。
え!お父さん、ここペイペイで払えるの!?
せやで~
他のナントカペイもいけるで~
マジですか。絶対現金でしか支払えないと思ってお金下ろしてきたけれど、キャッシュレス決済いけるのか。すごいな、古民家だけど時代の流れにバッチリ対応。じゃあキャッシュレス決済にしよ。
玄関で天井を見上げると、これはまた見事な茅葺屋根。木治屋さんの茅葺は、曽爾高原のススキを葺いています。さっすがー!
余談ですが、茅葺の『茅』はイネ科やカヤツリグサ科の草本の総称なんだそう。代表種にススキやスゲ、チガヤがあり、ススキを特定的に意味することもあるんだって。初めて知った。
本日のお部屋は玄関の真横のお部屋。広さは8畳。シンプルなお部屋です。
写真だとあからさまに「押し入れ、物色しただろ」感が出ています。ええ、しましたよ。ふたりでは使い切れないほどの布団と毛布が入っていましたわ。
部屋からはのどかな風景が見えます。
おばあちゃんの家に泊まりにきた、みたいな感じ!
奥にはご主人が手作りしたという岩風呂。お風呂はひとつで、特に男湯女湯などと時間が分かれてはいません。家族単位などで入ればよろしいかと。
岩風呂に入浴する際は、こちらの木札を柱から外します。ひっくり返すと「入浴中」の表記がされているので、それをお風呂の入口に掛けることになっています。
このあたりのルールは、チェックイン時にご主人が丁寧に教えてくれます。
木治屋さんの宿泊部屋にはテレビがありません。どうしてもテレビが見たい!という方は、こちらのスペースに1台だけテレビがあるのでそちらをどうぞ。
でもせっかくなら、何もない贅沢を味わうのがよろしいかと。
アクシデント発生!ブレーカーが故障!?
チェックインをして荷物を置いた後、曽爾高原の山灯りに出掛けた我々。
18時半くらいに木治屋さんに戻り、洗面所で手洗いうがいをしようとすると。
あれ?電気が点かない…
洗面化粧台の電気が点かない。まぁいいか、今日は私たちともう1組しかお客さんいないって言ってたし、節電かしらと思って特に気にせず。するとそこにご主人がやってきて、
大変なことが起きました
夕方、2つあるブレーカーの1つが調子悪なって、
水回り(風呂・洗面・トイレ)と台所の電気が点きません!
と電気点かない宣言。な、なんですとー!でも私としては電気が点かないことよりも、
ご主人の顔面が近い。
電気が点かないのは個人的にはどうってことない。旅先では停電したり、そもそも電気が無かったりも多いから気にならない。むしろちょっとワクワクする。そんなことより顔面が近い。まぁいいか。
村の修理業者に電話したんやけど、
もう酒飲んでしまって今日は来れへん言われたわ
なので、今夜は闇風呂や
ほんま、申し訳ない
闇風呂ヒャッハー!
ご主人、ご安心ください。まったく謝る必要はございません。むしろ良かったですね、停電した日に宿泊したのが私で!(偉そう)
台所も電気点かへんから
ロウソクの灯りで夕飯の準備してるんや
台所、見に行ってみぃ
と促され台所へ行ってみると、真っ暗闇の台所で、丑の刻参りの時に頭に突き立てるようなロウソクに火を灯し、お母さんが料理を作っていました(ロウソクは調理台に置いてます、頭に突き立ててはいないよ!)。ぶっちゃけ、ほとんど何も見えません。
何このシュールな展開
お母さん!大丈夫ですか?
これくらい大丈夫やで~
と、やかんを運ぶお母さん。
ビチャビチャビチャ
いや、めっちゃこぼれてますがな
私運びますよ
大丈夫やで~
ビチャビチャビチャ
女性の言う「大丈夫」は良く分からない。
特製味噌だしのぼたん鍋
そんなこんなで丑の刻参りロウソクの灯りの中、お母さんが作ってくださった夕飯がこちら。(食事処と部屋の電気は大丈夫だった)
特製味噌だしのぼたん鍋ー!
暗闇の中、本当にありがとうございます。
肉は全般好きですが、猪肉も大好き。
以前、天川村・洞川温泉の『あたらしや旅館』で食べたぼたん鍋が美味しくて、それからは「また奈良でぼたん鍋食べよう」と狙っていました。何て言うか、猪肉はすごく力強い。『ザ・ワイルドライフ~野山を駆け巡った俺の生き様~』みたいなタイトルを付けたくなる肉です。
あとは曽爾で獲れた鮎の塩焼き。川魚も好き。
ちょっと寒くなってきたこの季節に、お味噌味のぼたん鍋は染みる~!
停電のお詫びにと、夜のお供に『かき餅』を焼いてくださいました。
そんなぁ、悪いですよー!
と言いつつ、
部屋に持って行っていいですか?
と食べる気満々。
女性の言う「そんなぁ、悪いですよー!」は良く分からない。
今夜だけ!闇風呂体験
私たちの他に居た宿泊客は、大学生くらいの1人旅の男の子。先に彼にお風呂に入ってもらったのですが、「真っ暗でほんま怖かったです…」と言って帰ってきました。まぁ、そうだわな。
では我々も風呂に入りましょう。武器はこちら。懐中電灯(でかめサイズ)です。
照らすぜー!
実際は懐中電灯の照らした一点しか明るくならないので、風呂がどのくらいの大きさなのか等も分からず。まさに闇風呂。
とりあえず、髪の毛とか洗おう
と洗い場で体と髪の毛を洗い、泡を流していると。
あれ…
これは、今まで何度か経験したことがある気配。
来る。アイツが…来るっ!
水シャワー!
ほらね。旅の醍醐味・水シャワーです。良かったですよ、大学生くらいの彼に先にお風呂入ってもらって。彼、水シャワー浴びたら多分泣いちゃうもん。
おそらくシャワーのお湯は故障したブレーカーで沸かして貯めていたのでしょう。幸いにも岩風呂の中のお湯は熱々なのが勢い良く出ていたので、それをぶっかけて泡を流しました。
ちなみに懐中電灯の灯りをうまく調整したら、写真では岩風呂の全貌が見えました。これ、ご主人が全部手作りしたのかぁ。立派な岩風呂ですな。
シャワーはアクシデントで途中から水になったけれど、岩風呂はとっても気持ち良かったよ!部屋にエアコンとかないので、お風呂でしっかり温まってから寝ることをオススメします。ちなみにお風呂は24時間いつでも入浴可能だよ。
朝食と御朱印みたいなサイン
翌朝。朝食は湯豆腐。ほっこり。ごはんを食べていると、宿のご主人が紙をくれました。
え!これどこかの御朱印ですか?
私が書いた
私 が 書 い た
マジかよ。岩風呂作れて御朱印(みたいなの)も書けるとか、多才すぎ。
『漆部の郷(ぬるべのさと)』と書いてありますが、『漆部(ぬるべ)』とは漆塗り職人のことで、実は曽爾村は日本の漆文化発祥の地と言われています。それで曽爾村は『漆部の郷』と呼ばれているんだって。
色々教えてくれたご主人。アクシデントはあったけど、思い出になるとても楽しい滞在でした!
「古民家の宿 木治屋」の総評
設備:★★★☆☆
それらもひっくるめて楽しめる方にオススメ!
スタッフ:★★★★★
立地:★★☆☆☆
価格:★★★☆☆
楽天トラベルでは【現金特価】の表記がありますが、キャッシュレス決済でも同じ金額でした。
▼木治屋は楽天トラベル、もしくは宿の公式サイトから予約となります▼
「古民家の宿 木治屋」の場所
<つづく>
(この記事は2020年9月の奈良旅ブログです)
コメント
こんな巡り合わせも旅の醍醐味なんどすね。奈良は数日の観光じゃ足りなそうでふ。
GOTOした気になりました。
GOTO GOツー
たしかに紳士のお住まいからだと、3連休か4連休は欲しいところだね!
奈良、人少ないしゆっくり出来て良いと思うよ。
しばらくは紳士の分までGOツーしまくってくるわ!
まだそっち、帰省できなそうだし…